数年前、ある方の紹介でひとりの日本人とリヤドで会った。話を聞き、日本に留学しているサウジアラビア人の学生数人と一緒になって日本国内の小学校を訪問し、サウジアラビアを紹介していることを知った。
自らの意思でボランティアとして地道な文化活動を続けている姿に強い感銘を受けた。「子供たちが本当に目を輝かし、興味を持って接してくれます。それが私を動かしています」という実直な彼の言葉に心を打たれた。
その後、彼は自らの意思で中東の仕事に携わることになり、リヤドにも訪問する機会が増えた。
2月早々にその彼がリヤドを訪ねてきてくれた。 「ジザーンに出張してきました。なんとかジザーンで仕事を取りたいと思っています・・・」。その言葉と姿勢にまた強い感銘を受けた。彼は単身で乗り込み、地元の有力者とも面談したことを話してくれた。真摯で熱いものを感じた。
サウジアラビア政府がいま、最優先課題にしているのは地方経済の発展である。特に、イエメンと国境を接する紅海沿岸の町ジザーンは、サウジアラビアでは以前は経済発展が最も遅れている地域と見なされていた。そして、治安上の問題からも、この地域の経済発展は政府としても無視できない重要課題になっている。
筆者が初めてジザーンを訪問したのは2002年の春だった。ジザーン郊外を視察した時には、本当に驚いた。「ここは本当にサウジアラビアか?」というのが正直な感想だった。それから10年が経ち、近年ジザーンでは様々なプロジェクトが計画されており、工業団地の整備も急ピッチで進んでいるようだ。政府も企業誘致のために様々なインセンティブを提供している。
筆者の独断と偏見で言わせていただくと、中東でビジネスを成功させるひとつのヒントは他人がまだ注目していない時期に足を運び、自分を売り込むことだ。相手から歓迎される時期に何度も通うことが大切だ。そうすることによって、相手から本当の信頼を得ることができると確信している。外国企業から大勢のビジネスマンが押しかけるようになった時点では、相手からの印象も薄くなるのは当然である。
予想もしない苦労も多いと思うが、彼にはぜひとも成功してほしいと心から願っている。
(以上は筆者の個人的な意見であり、勤務する会社の意見を反映したものではありません)

