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プロフィール

1955年生まれ、京都市出身、大阪外語大(現、大阪大学)卒、リバプール大経営修士。IHI、日興證券、仏ソシエテ・ジェネラル証券、サウジアラビア民間財閥、投資家のアドバイザー、サウジアラビア総合投資院(SAGIA)ジャパンデスク(在リヤド)投資アドバイザーを経て、現在みずほサウジアラビア会長。プリンス・スルタン大学アドバイザリー・ボード。サウジアラビア勤務歴は16年を超える。

趣味は料理や遺跡巡り、特技は砂漠ねずみ(ジャルボア)捕獲や小唄・詩吟など

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「熱血日本人ビジネスマン」

投稿日時:2013/02/19 17:33

 数年前、ある方の紹介でひとりの日本人とリヤドで会った。話を聞き、日本に留学しているサウジアラビア人の学生数人と一緒になって日本国内の小学校を訪問し、サウジアラビアを紹介していることを知った。

 自らの意思でボランティアとして地道な文化活動を続けている姿に強い感銘を受けた。「子供たちが本当に目を輝かし、興味を持って接してくれます。それが私を動かしています」という実直な彼の言葉に心を打たれた。

 その後、彼は自らの意思で中東の仕事に携わることになり、リヤドにも訪問する機会が増えた。

 2月早々にその彼がリヤドを訪ねてきてくれた。 「ジザーンに出張してきました。なんとかジザーンで仕事を取りたいと思っています・・・」。その言葉と姿勢にまた強い感銘を受けた。彼は単身で乗り込み、地元の有力者とも面談したことを話してくれた。真摯で熱いものを感じた。

 サウジアラビア政府がいま、最優先課題にしているのは地方経済の発展である。特に、イエメンと国境を接する紅海沿岸の町ジザーンは、サウジアラビアでは以前は経済発展が最も遅れている地域と見なされていた。そして、治安上の問題からも、この地域の経済発展は政府としても無視できない重要課題になっている。

 筆者が初めてジザーンを訪問したのは2002年の春だった。ジザーン郊外を視察した時には、本当に驚いた。「ここは本当にサウジアラビアか?」というのが正直な感想だった。それから10年が経ち、近年ジザーンでは様々なプロジェクトが計画されており、工業団地の整備も急ピッチで進んでいるようだ。政府も企業誘致のために様々なインセンティブを提供している。

 筆者の独断と偏見で言わせていただくと、中東でビジネスを成功させるひとつのヒントは他人がまだ注目していない時期に足を運び、自分を売り込むことだ。相手から歓迎される時期に何度も通うことが大切だ。そうすることによって、相手から本当の信頼を得ることができると確信している。外国企業から大勢のビジネスマンが押しかけるようになった時点では、相手からの印象も薄くなるのは当然である。

 予想もしない苦労も多いと思うが、彼にはぜひとも成功してほしいと心から願っている。

(以上は筆者の個人的な意見であり、勤務する会社の意見を反映したものではありません)

アラブ世界のマイクロファイナンス

投稿日時:2013/02/12 17:24

 アラブ世界では所得格差が広がり、貧困層が拡大している。社会の安定のためには、貧困への取り組みは不可欠であり、永遠の課題だ。貧しい人でも資金さえあれば商売を始めることができるという信念のもとに、誕生したのがマイクロファイナンスである。

 しかし、マイクロファイナンスの社会的な貢献や効果については、様々な意見があることも事実である。マイクロファイナンスのおかげで所得が増えたのか、あるいは地域経済の発展など外部要因によって所得が増えたのか、その評価についても一概にいえない要素もあるだろう。制度上の問題を指摘する声もある。貧困層の救済という社会的側面がある一方で、持続的な営利事業としての側面もあるだけに、運営上の課題も多いことが専門家からは指摘されている。

 バングラデシュの「グラミン銀行」はよく知られているし、アジアや中南米などでもマイクロファイナンス機関が運営されている。しかし、筆者は中東に長年住んでいながら、中東地域にマイクロファイナンスの会社があることすら誠に恥ずかしながら知らなかった。サウジアラビアという中東でも豊かな国に住んでいるからかもしれないが、それは決して言い訳にならないと反省している。

 会社名は「グラミン・ジャミール・マイクロファイナンス・リミテッド」。中東および北アフリカで最初のマイクロファイナンスの会社として2002年に設立された。2012年6月時点で、173万人を超える人たちがこの会社から小口融資を受けている。

 注目されるのは、モロッコ、チュニジア、エジプト、スーダン、トルコ、シリア、レバノン、パレスチナ、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)およびイエメンにある地場のパートナーと組んで活動していることである。また、ビジネスプランニングやトレーニングといったテクニカルサポートも実施している。

 この会社によると、中東・北アフリカ地域では現在8700万人以上が日収2ドル以下であり、その数は拡大しているそうだ。近年、中東諸国の社会情勢は不安定になり、安定した収入を得ることは非常に困難になっている。また、シリアなど多くのアラブ諸国の難民も急増している。中東・北アフリカの安定は日本にとっても非常に重要であり、決して他人事ではない。

 (以上は筆者の個人的な意見であり、勤務する会社の意見を反映したものではありません)

サウジアラビアで急速に高まる日本への関心

投稿日時:2013/02/05 17:30

 仕事柄、サウジアラビアで投資や金融ビジネスに携っておられる方々と日常的に会うことが多いが、この1カ月間、特徴的なことが起こっている。それは、サウジアラビアの人々の間で日本に対する関心が急速に高まっていることだ。彼らとは長年付き合っており、筆者が日本人であるから日本を話題にするということは、これまでなかっただけに、正直なところ驚いている。

 とりわけ安倍政権の外交・経済政策や為替に関する話題が多い。筆者は2001年11月以来、首都リヤドに住み、仕事をしているが、これほど日本の経済政策について相手から話題にされた経験はなかったように思う。なかには、「米ドルをロングし、日本円をショートしているのだけど、どこまで円安になると思う?」といった具体的な質問が飛び出すこともある。総じて、アベノミクスによる円安については好意的に理解されているようだ。

 サウジアラビアの人たちは「メード・イン・ジャパン」の製品には高い信頼をおいているので、円安になると当地で買いやすくなると歓迎する声が高い。また、今年は長年かなえられなかった日本への家族旅行を実現したいと言い出したサウジアラビア人も出てきた。サウジアラビアの通貨であるサウジリアルは米ドルとのペッグなので、彼らにとって円安は歓迎なのである。

 また、外交政策についても新政権に対する期待は高い。前回の首相在任中の2007年(平成19年)4月に安倍首相はスルタン皇太子(当時)との午餐会、アブダッラー国王との会談および晩餐会に出席され、日本とサウジアラビア両国の戦略的・重層的パートナーシップの発展に向けた「共同声明」が発出された。また、安倍首相に同行した経団連ミッション(180人)もサウジアラビアに強いインパクトを残した。

 日本にとってサウジアラビアは最大の原油輸入国であり、エネルギー保障の観点からも戦略的に非常に重要な国である。無論、日本とサウジアラビアとの関係はエネルギー以外でも重層的であるべきだ。

 日本へさらに高い関心をもってもらえるよう、サウジアラビアに長年住むひとりの日本人としても気を引き締めて努力していきたい。

(以上は筆者の個人的な意見であり、勤務する会社の意見を反映したものではありません)

東京でサウジ留学生のための就職フェア開催

投稿日時:2013/01/15 17:39

 アジア諸国と比較すると、サウジアラビアとビジネス上で関係する読者は多くないでしょう。しかし、サウジアラビアは日本にとっては非常に重要な国です。輸入原油の約30%をサウジアラビアに依存する日本にとって、サウジアラビアとは単にエネルギーだけではなく、さまざまな分野で重層的な関係強化が求められています。

 2007年4月に安倍首相(当時)はアブドゥラー国王、スルタン皇太子(当時)とリヤドで会談を行い、日本とサウジアラビア両国の戦略的、重層的パートナーシップの発展に向けて共同声明が発出されました。そのなかには経済、投資、航空、環境、文化、教育・科学、青年・スポーツ分野における協力の強化・拡大の重要性の認識が共有されています。そして、サウジアラビアの学生が日本の大学で学ぶことを支援・奨励し促進することも具体的に記されています。

 現在、日本全国の大学や大学院では450人を超えるサウジアラビア政府派遣の留学生が学んでいますが、2013年3月にはそのうちの100人ほどが卒業します。サウジアラビア王国大使館文化部では3月12日に東京で就職フェアを主催し、日本で学んだサウジアラビア人学生の採用やインターンシップ、また中東での事業展開を検討されている企業関係者との直接面談の機会を予定しています。

 域内最大の市場であり、発電、鉄道、石油化学、鉱業などさまざまな分野で新規の大規模プロジェクトがこれからも具体化するサウジアラビアでは、日本企業にとってのビジネスチャンスが拡大します。

 サウジアラビアで事業を展開されている、あるいは検討中の日本企業にとって優秀な人材をいかに確保するかは非常に大きな課題です。今回のフェアの対象となる学生の専攻分野は、電機電子工学、システムエンジ二アリング、情報システム工学などです。

 サウジアラビアでのビジネスを成功に導くキーワードのひとつは、サウジアラビアとの絆をさまざまな面で強くする「サウダイゼーション」【Saudization】です。日本企業によるサウジアラビア留学生採用は大きな社会貢献として捉えられ、サウジアラビア政府やメディアからも高く評価されています。

 ぜひ、この就職フェアを良い機会にしていただければと思います。

 (以上は筆者の個人的な意見であり、勤務する会社の意見を反映したものではありません)

名刺を見て相手の顔を思い出せても…

投稿日時:2013/01/08 17:19

 自分の記憶力は自分が思っているほどよくないし、かといって悪いわけでもない、と筆者は思っている。ただひとつ確実に言えることは、加齢とともに記憶力は低下するということだ。

 面談する相手が1人やせいぜい数人の場合は、面談相手のサウジアラビア人の顔と氏名はだいたい覚えられる。「サウジの人はみんな同じような衣装をしているので、なかなか顔が覚えられない」とおっしゃる日本人も多いが、5年もして馴れてくると顔の特徴は分かってくるものだ。

 サウジに長年いると、サウジ人との付き合いが日常的に多くなる。晩餐会などでサウジ人ビジネスマンのゲストハウスや自宅に財界人が集まるときや、ワークショップなどでは、1回に何十人にもあいさつをして名刺を交換することが多くなる。

 先日、東部州にある財閥ファミリーオーナーの方から、自宅での晩餐会に招待された。いつものことだが、誰が出席するかは事前に知らされていない。到着するのが少し早かったため、中央横の座席に案内された。

 しばらくすると、続々と東部州の財界人が登場し、そのたびに立ち上がり、あいさつが続いた。結局、20人を超える人たちが集まった。筆者はリヤド勤務が長いため、リヤド在住の財界人とはそれなりに面識があり、顔と名前の一致には自信があるつもりだが、東部州となると顔と名前が一致する財界人が少なく、たくさんの名刺をもらっても後で顔が一致せず困った。

 「はじめまして」と筆者があいさつすると、相手から「あなたとは、一度会ったことがある」と返事があった。恥ずかしながら、筆者はとっさに思い出せず、名刺を見て初めて思い出した。その相手には大変失礼なことをしたので、その後食事中に近寄り、お詫びをした。筆者が「あの要件で、東京でお会いしましたね」と伝えたところ、相手からも「そうです。あのとき、あなたはSAGIAのアドバイザーでしたね」と覚えられていた。冷や汗ものだ。

 大規模な晩餐会や会合が続くと、自分の名刺があっという間になくなると同時に、相手の名刺が山のように増える。忘れないうちに、相手といつどこで会ったかなど特徴も含めてメモをする習慣がついている。

 それでも、名刺を見て相手の顔を思い出せても、急に相手と会ったときに相手の名前をとっさに思い出せるか? については、筆者はまだまだ修行が足りないと自覚している。

(以上は筆者の個人的な意見であり、勤務する会社の意見を反映したものではありません)

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