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プロフィール

2011年、シリコンバレーにて、AppGrooves Inc.共同創業。AppGroovesは、スマートフォンアプリをより簡単に探せるようにするためのiPhoneアプリで、シリコンバレーのシードファンド500startup等からの出資を受ける。連絡先はTwitterで@shibataism。

1981年生まれ。茨城県出身。2009年、東京大学大学院 工学系研究科 技術経営戦略学専攻 博士後期課程 修了。博士(工学)。28歳で東京大学助教、楽天株式会社執行役員(当時最年少)に就任。2009年よりスタンフォード大学研究員。

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シリコンバレーで働くには?~就職先企業のステージ編

投稿日時:2012/01/11 11:35

 「シリコンバレーで働くには?」シリーズ3回目は就職先企業のステージ編です。

◆大企業 vs スタートアップに就職 vs 自分で起業?

 大きく分けると、アメリカの大企業(Google, Microsoft, Facebook等)に就職する、まだ若いスタートアップに就職する、あるいは、自分で起業するという3つの選択肢があると思います。この順番に困難であると考えていただくのが正しいかと思います。アメリカの大企業に就職するというのも簡単ではありませんが、スタートアップに就職したり、自分で起業するのに比べればハードルは低いと思います。

 アメリカの大企業のうち、いくつかは日本に子会社を持っているでしょうから、まずはそこに就職して、結果を出してから、シリコンバレーに転籍するというのは一つのオプションになります。あるいは、こうした企業の場合、本社採用の門戸もグローバルに開かれている場合が多いので、最初から本社採用に申し込むのも十分可能でしょう。

 近年、シリコンバレーのソフトウェアエンジニアの争奪戦は熾烈さを極めています。特に、GoogleとFacebookの2社の間の争奪戦は凄まじいものがあります。シリコンバレー中の優秀なエンジニアを根こそぎ採用しているという印象です。私もスタンフォードにいた時に、採用担当者(ヘッドハンター)から何度も連絡がありました。

 ところが、こうした会社であっても、シリコンバレー外のタレントはマークしきれません。つまり日本にいる皆さんは「ダークホース」的な存在で、ポジションと専門性がマッチしさえすれば、採用される十分な可能性があります。

 また、最近ではTwitterのように日本が非常に戦略的に重要なマーケットになっている場合、日本のことを良く知っているというのはそれだけでプラスになります。直近ではIPOを申請したYelpも日本市場の担当者を募集しています。残念ながら日本の魅力は(中国のそれに比べて)小さくなりつつありますが、それでもまだ日本が重要であると考える会社は多数ありますので、大きなチャンスがあります。

◆スタートアップに就職するにはネットワーク勝負

 他方、まだそこまで大きくないスタートアップに就職するには、ネットワーク(人脈)が重要です。まだ社員数が多くない場合、知らない人を多数採用するということはしないでしょうから、社員の友人の友人であるといったようなネットワークが非常に重要です。

 採用される側からしても、良く知らない会社に入るわけですから、「友人の友人」が働いているというだけで、得られる情報量や会社に対する信用度が変わってくるはずです。

 ただ、日本に住んでいる人にとっては、このシリコンバレーの「ネットワーク」に入るのはほぼ絶望的に難しいとも感じるでしょう。従って、やはり一番のおすすめはアメリカの大学院に入ることです。こうすることで、努力次第では在学中にこうしたネットワークに入ることが出来ます。

 以上、3回に分けてシリコンバレーで働くには?というトピックを書きました。日本のエンジニアのレベルは十分高いと思っていますので、シリコンバレーに限らず、世界中で活躍する日本人がもっと増えればと願います。

 こうしたトピックを読みたいという要望も受け付けます。Twitterで@shibataismまでご連絡ください。

シリコンバレーで働くには?~学歴編

投稿日時:2012/01/04 11:15

 「シリコンバレーで働くには?」シリーズ2回目は学歴編です。

◆アメリカは日本以上に学歴社会

 アメリカは日本以上に学歴社会です。アメリカのトップスクールを卒業しているということ、それも良い成績で卒業しているという事実は非常に強力です。従って、可能であれば、スタンフォード大学等のトップスクールに入るというのは、シリコンバレーで働く上でもとても重要な一歩になります。私は日本の大学で博士課程まで終えてしまいましたが、一番後悔しているのはこの点です。

 残念ながら、日本の大学は東大・京大クラスであっても、アメリカでは知っている人はほとんどいません。以前書いた通り、世界のトップスクールのほとんどはアメリカの大学であるために、アメリカ人から見て「日本でトップクラスの大学」というのは、良く分からないものなのです。

◆シリコンバレーで働きたいなら、修士課程からアメリカの大学院へ

 私がシリコンバレーで働きたいと思う若い人におすすめしているのは、修士課程からでもアメリカのトップスクールに入ることです。そうすることの利点はいくつかあります。

 第一に、他のアメリカ人と同じ土俵に乗れることです。例えば、スタンフォード大学卒であれば、国籍や言語能力を問われることなく、「スタンフォード大学卒」として見なされます。(残念ながら)私のように「東大博士」というよりも、シリコンバレーの企業にとっては、よっぽど分かりやすいのです。

 第二に、英語の問題が大きく解消されます。大学は学ぶ場であるため、入学時に多少英語ができなくても、修士課程の2年間を過ごす過程で自然と最低限の英語が身に付きます。また、アメリカの文化に関しても、体感することが出来るため、アメリカに住むということに対して違和感が無くなります。

 第三に、物理的にアメリカにいることで、就職活動が行いやすくなります。アメリカ広しと言えど国内線と国際線に乗るのでは、心理的な負担が全く異なるでしょう。アメリカで就職するのであれば、アメリカにいる方が圧倒的に有利です。地方大学の学生が東京で就職活動をするのは金銭的、精神的に大変だというのと同じ理屈です。

 もし、あなたが20代前半でシリコンバレーで働きたいと思っているのであれば、少しくらい人生の遠回りをしても構わないので、是非アメリカの大学院への留学を検討してください。

 こうしたトピックを読みたいという要望も受け付けます。Twitterで@shibataismまでご連絡ください。

シリコンバレーで働くには?~職種編

投稿日時:2011/12/27 10:58

 最近、特に若い人から「シリコンバレーで働きたいのですが、どうすればいいでしょうか?」という質問を良く受けるようになりました。何回かに分けて、いくつか私が学んだことを書いていきたいと思います。

 初回は職種編です。

◆シリコンバレーでは、エンジニアが一番偉い

 一番最初に強調しなければならないことは、シリコンバレーではエンジニアが一番偉いという点です。以前も書きましたが、シリコンバレーでは、他のどの職種よりもソフトウェアエンジニアが優遇されている、と言っても過言ではありません。

就労ビザの問題に関しても、ソフトウェアエンジニアであれば、専門性が非常に分かりやすいため、ビザを取得できる可能性が非常に上がります。企業側が「この仕事は外国人のこの人でないと出来ない」と主張しやすいためです。

 英語の問題も一番小さいのがソフトウェアエンジニアでしょう。プログラミング言語は、世界中共通であり、ソースコードレベルで議論が出来るため、エンジニアとしての腕が確かであれば、多少の英語の問題は何とかなります。実際、シリコンバレーでは、ひどい母国語なまりの英語を話すソフトウェアエンジニアが多数います。

◆文系職種は難しい?

 正直に申し上げて、文系の職種の日本人がシリコンバレーで働くのは困難を極めます。ただし、英語がネイティブレベルであれば少し話が違ってきますが、大抵の人にとっては難しいです。特に営業、マーケティングは、英語がネイティブレベルであることが必須でしょう。逆の立場に立って考えれば明白です。日本語がネイティブでない人を日本の会社が営業やマーケティングで採用するか、と聞かれると

恐らくNoでしょう。

 他方、リーガル、財務/会計等の専門職であれば、十分な経験があれば、可能かもしれません。これらの職種の場合、専門性が高いため、英語圏での職務経験があって、専門性が認められれば十分可能かと思います。

 MBA(経営学修士号)はその中間だと考えるのが正しいと思います。アメリカにもMBA保有者は多数いるため、日本のようにMBAを持っているからと言って重宝されるということにはなりにくいと思います。

◆今シリコンバレーに不足しているのはデザイナー

 シリコンバレーがエンジニア中心の文化であることは今も昔も変わりアリませんが、近年、特に注目され、かつ不足しているのがデザイナーです。シリコンバレーで枯渇しているデザイナーというのは、いわゆるグラフィックデザイナーではありません。ユーザーエクスペリエンス(User Experience, UX、とも表記します)を設計できるデザイナーが求められています。

 近年、Appleを中心としたユーザーエクスペリエンスに優れたデザイナーは引く手あまたで、本当に枯渇しています。スタンフォード大学でも、d.schoolというデザインに特化したスクールが出来るほど、ユーザーエクスペリエンスの重要性が増しています。

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20歳のときに知っておきたかったこと(下)

投稿日時:2011/12/13 11:49

 【3】若くても才能があれば、世の中を変えられる

 最後に、これは、シリコンバレーの根底にある発想ですが、シリコンバレーをシリコンバレーたらしてめている重要な要素について書きたいと思います。日本に住んでいた頃は、最初は新入社員として会社に入社し、徐々に出世し、自分の責任も給与も増えて行くという、いわゆる「年功序列」モデルがずっと染み付いていました。私が勤めていた楽天という会社は、普通の会社に比べればとてもフレキシブルな会社で、私は 28歳の時に執行役員にしてもらいました。普通の会社ではとても考えられないことです。

 しかし、自分の役職が上がれば上がるほど、自分の中で葛藤が増えたのも事実です。当然、大きい会社の中で重要なポジションに付けば、世の中に影響を与えられるような仕事が出来るチャンスが回ってきます。これは真実です。他方、それは自分の力ではなく、会社の力なのではないかと思えてきたのです。だからと言って、自分一人で飛び出して何かできるとも思えない(から会社にとどまるしか無い)というのが正直なところでした。

 ところが、シリコンバレーに来てから、その考え方は正反対に変わりました。若くても、自分で起業して世の中を変えられるということを体現している人たちがたくさん周りにいました。 AppleもYahooもGoogleも20代の若者、それもほとんどまともに就業経験がない連中が創業しました。こういった人生も可能なんだと衝撃を受けました。特に若くて才能がある人には、焦らないで安易な選択をせずに、しっかり自分の人生に向き合って、最良の選択をしてほしいと思っています。

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20歳のときに知っておきたかったこと(中)

投稿日時:2011/12/05 12:44

【2】アメリカの大学(院)は本当にスゴい(そして学費は何とかなる)

 私も計 9年間学生としてお世話になった東京大学は素晴らしい大学でしたが、アメリカの大学、中でもトップスクールはもっともっとスゴいこということがスタンフォードに来てから分かりました。世界の大学ランキングを見ると、トップ 30のうちほとんどがアメリカの大学であることが分かると思います。

  教授も学生もトップ中のトップが更にその中で競争し、切磋琢磨していく過程を目の当たりにし、正直ショックを受けました。この、優秀な連中にどこまでも競争させ、その結果として世界においてのアメリカの科学技術のおける優位性を保つ、というアメリカの高等教育は本当にレベルが違うことを痛感しました。自分のやる気と才能さえあれば、年齢と関係なく、どこまででも行けてしまうような気にさせる何かがそこにはあります。

 可能であれば、僕もスタンフォードに学生として来たかった、というのが今の正直な気持ちです。この経験をふまえ、特にまだ若い優秀な人は、とにかく修士課程からでもアメリカの大学院に留学することを強く勧めています。

 一見、アメリカの大学(院)の学費の高さから躊躇する人も多いと思います。実際、アメリカの大学(院)の学費はとても高いです。が、同時に、日米共に多くの奨学金があるのも事実です。私の感覚では、トップスクールに合格するのは、奨学金の審査に通るよりもずっと難しいので、トップスクールにチャレンジし、合格してから奨学金を取ればいいと思います。

 少しくらいローンが残っても留学した方がいいと思います。例えば、スタンフォード大学のコンピューターサイエンス(修士)を卒業した学生の初年度の平均年収は約 10万ドル(約 750万円)です。このようにトップスクールを卒業すると、高い給与をもらえるチャンスもあるので、実は高い学費のことは人生において、想像していたほど大きな問題にならない、ということをシリコンバレーに住むまで知りませんでした。

 アメリカでは「才能がある人にはお金は集まる」ということです。これを 20歳の時にしっていたら、私の人生は変わっていたかもしれません。

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