社内の関係性を向上させるために~ワーキングウーマンのためのアドラー心理学

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2014/11/4  (1/4ページ)

<主な登場人物>

主人公 鈴木 美香(32歳):中堅メーカー勤務 就職氷河期を乗り越えて入社したこの会社で、10年間営業事務スタッフとして勤務してきた。控え目ながら真面目でコツコツ努力し、後輩の面倒見が良いところが評価され、半年前から「主任」の肩書がつき、いわゆるプレイング・マネージャーの立場でチームをまとめることになった。それまでの上司は温厚な委任タイプで、美香とも相性が良かった。しかし最近、人事異動があり、剛腕で強気なタイプの上司が新任の課長として着任した。

華子先輩(35歳):Cafe de Adler 店主 大学院修了後、臨床心理士として病院や学校に勤務していたが、途中でアメリカの心理学大学院へ留学。帰国後、同職の夫とカウンセリングルームを開設した。最近、長年の夢であった悩める人々の語り場としてのカフェをカウンセリングルームに併設して開店したばかり。華子にとって美香は大学時代の後輩で、妹のように可愛がり、何かと面倒を見ている存在。

◇“不審な”営業マン

 鈴木美香は自分がアシスタントとしてついている営業担当者の島田 健一のことが、いつも気がかりだ。島田は美香より1年早い入社で、昔から交流も多く個人的には仲が良い。島田は営業マンらしく人当たり抜群だが、仕事でもお調子者でつめが甘い、ややだらしないところがあり、彼の案件や顧客のフォローには何かと注意が必要だった。

 ある日の午前、島田が担当している長年の顧客であるA社から電話があった。美香が電話に応答すると、島田が約束の時間になっても来ない、携帯にも連絡がつかないと言われた。美香は丁重に詫びを入れ、こちらでも対応する旨を伝えた。確かに携帯もずっと電源OFF状態、結局、午後に帰社するまで連絡はつかなかった。

 美香はすぐにこの件について島田に尋ねたが、島田は「ああ、あの後すぐにA社に行ったから大丈夫。商談中は携帯を切っているから」と言う。美香は首をかしげながらも、その時はそれ以上の追及はしなかった。

 新たな疑惑が起こった。会社では新商品発売にさきがけ、顧客にサンプル品を一斉に配布するキャンペーンを行った。ある日、島田が外出する前に大量のサンプル品をバッグに詰めていた。営業の行先は、この前のA社だった。美香はこれを記憶にとどめておき、一週間後にサンプルの感想などを聞くためA社の担当者に電話をかけた。

 すると、担当者が「もう島田さんの顔なんてずっと見てないし、結局あの日も来なかったでしょう!サンプルなんて知らない。彼のことは信頼できないですから」と語気を強めて言われてしまった。美香は丁寧に詫びて電話を切った。

 夕方すぐさま、島田にこのことを言ったが、島田は「あれ?いやだな、そんなこと言ってた?あの時は、たまたま違う人にサンプルを渡したんだよ。社内で連絡が行き届いてないのかもね?」と言う。

 一連の出来事に対し、美香は悩んだ。どうも最近の島田は様子がおかしい。以前は進んで参加していた社内の飲み会やスポーツ大会にも来ない。社内の人を避けているようにも見える。美香は嫌な予感がして、どう対応してよいか迷った。

 ある日、美香は久しぶりに華子のカフェを訪れた。

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