社内の関係性を向上させるために~ワーキングウーマンのためのアドラー心理学

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2014/10/7  (1/4ページ)

<主な登場人物>

主人公 鈴木 美香(32歳):中堅メーカー勤務 就職氷河期を乗り越えて入社したこの会社で、10年間営業事務スタッフとして勤務してきた。控え目ながら真面目でコツコツ努力し、後輩の面倒見が良いところが評価され、半年前から「主任」の肩書がつき、いわゆるプレイング・マネージャーの立場でチームをまとめることになった。それまでの上司は温厚な委任タイプで、美香とも相性が良かった。しかし最近、人事異動があり、剛腕で強気なタイプの上司が新任の課長として着任した。

華子先輩(35歳):Cafe de Adler 店主 大学院修了後、臨床心理士として病院や学校に勤務していたが、途中でアメリカの心理学大学院へ留学。帰国後、同職の夫とカウンセリングルームを開設した。最近、長年の夢であった悩める人々の語り場としてのカフェをカウンセリングルームに併設して開店したばかり。華子にとって美香は大学時代の後輩で、妹のように可愛がり、何かと面倒を見ている存在。

◇辣腕課長がやって来た!~そして“事件”が……

 新任の佐藤課長は、着任早々、その辣腕ぶりを発揮した。様々な業務改革案をすぐさま練りあげ、実施に向けてさっそく動き出した。主任の美香に対しては、事務職の残業時間圧縮や勤務態度の改善策について取り組むように指示があった。佐藤課長は、必要のない残業が多々あること、事務職の私語が多いことやお菓子を分け合いながら勤務することなどを問題視していた。

 それまでこの職場は和気あいあいとした雰囲気があり平和だった。その和気あいあいがいつしか“なれ合い”になり、プロ意識に欠ける態度の後輩がいることも事実だったが、この雰囲気を壊したくない美香は、これまで気になりながらも放置していた。そこを佐藤課長に指摘されたため、しぶしぶ改革に取り組まざるを得なくなった。

 美香は朝のブリーフィングでスタッフに言った。「今後は、勤務時間中は私語を慎み、茶菓子などを食べることを禁止します」。皆はその日一日は気を付けていたが、徐々に状態は逆戻り。皆の自覚は芽生えず、美香のリーダーシップは全く発揮されずにいた。

 業を煮やした佐藤課長は、とうとうある日、事務職がおしゃべりしながらお菓子をつまんでいる時に「いいかげんにしろ!ここをどこだと思ってるんだ!」一喝しお菓子をゴミ箱に捨ててしまった。美香はその時、何も言えず硬直したままだった。佐藤課長は美香にいちべつを食らわせ、無言で席へ戻った。

 その“事件”後、スタッフの間には佐藤課長に対する不満がくすぶるようになり、平和な雰囲気は一変した。皆、表面上は課長の顔色を伺いながらやり過ごしているが、ロッカールームや給湯室でのおしゃべりは過激だった。「課長ににらまれているようで怖い」「あんな高圧的な言い方をするなんてパワハラでは?」「横暴でついていけない。前の○○課長の方がよかった」「ついに私もこの会社を辞める時がきたのかも」など、スタッフから様々に不満をぶつけられる美香は窮地に陥った。しかしすっかり萎縮してしまった美香は、スタッフの話を聴くには聴くが、佐藤課長に対しては何も言えない、そして事態に有効な手立てが打てずに一人思い悩んだ。

 ある日の夕方「そうだ!こんな時は華子先輩に相談しよう」と思いたち、開店案内のハガキを握りしめカフェに向かった。

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