【Web講座】梶原しげるの「プロのしゃべりのテクニック」

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2016/3/17  (1/4ページ)


ポスターにあふれかえる「すぐ見れます」の文字

 某駅構内に貼ってあった賃貸住宅のポスター。

 「駅徒歩5分・1K・8万円」「駅9分3LDKファミリータイプ15万円」「バス停2分・戸建・2世帯可19万円」など、バラエティーあふれる10件ほどの貸し部屋情報が外観や間取り図とともにびっしりと並べられている。

 その全物件の上に、黄色地に朱色のハンコを追加でドカスカ押したように「すぐ見れます」の文字があふれかえっていたのだ。

 「見れる」が、「見られる」の「ら」を抜いた「ら抜き言葉」で「正しくない日本語だからダメ」なんてことを言う気はさらさらない。

 「お渡しした資料映像、今日中に見れます?」

 若いスタッフに問われれば「うん、見れる」と私も「ら抜き」で答えている。「仲間同士の親しい対面会話」なら「全然オッケー」だ。

 ところが「書面」や「公共場面で」はあまり使わない。他人が使うのさえちょっと気になる。

 目にした広告のターゲットは、若い単身者だけでなく、ファミリー層、2世代住宅に住もうという中高年も含まれているらしいから、余計「なんだかなあ……」と今は亡き阿藤快さんのようなため息が出た。

 「残り少ない人生の貴重な時を過ごすための住まいを……」――そういうお気持ちの方に向かって「すぐ見れます」の乱発は、「この人に託しても大丈夫か?」との不安をお客様に与える気もしてきた。

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