【Web講座】梶原しげるの「プロのしゃべりのテクニック」

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2016/3/31  (5/5ページ)

ここからハトがはっと出るよ

 「心を通わす思いを大事にした」などという観念的なお題目より、具体的な一言が有効な場面をもう一つ思い出した。

 高校時代の修学旅行、集合写真で、全員が爆笑している写真が一枚だけあった。その時のシーンは今でも覚えている。

 カメラマンのおじさんが、真面目な顔でダジャレをかましてくれたからだ。

 「みんなこのレンズ見て! ここからハトがはっと出るよ、ハイッ!て、ありゃ……でない」。ずっこけた様子がなんともおかしく、みんな笑った瞬間を捉えておじさんがシャッターを切った。「笑って笑って!」より高度なコミュニケーションの技だと、今にして思う。

 「こんなのもあったよ」

 検索好きの友人が某企画制作会社のサイトにあった、「素人さんでも1分でモデル顔」の記事を見せてくれた。

 シャッターを押す直前、男性には「ヘイヘイヘイ!」と、女性には「アンアンアーン!」と叫んでもらう、と「元気で陽気な写真が撮れる」らしい(詳しくはネットを参照)。

 「思いや、気持ちや心を大切に」よりバカバカしいようだが、「ヘイヘイヘイ」の方が「腑に落ちる」こともある。ノウハウは馬鹿にできないのだ。

>> 本連載は、BizCOLLEGEのコンテンツを転載したものです

◇   ◇   ◇

梶原 しげる(かじわら・しげる)

1950年生まれ。早稲田大学卒業後、文化放送のアナウンサーになる。92年からフリーになり、司会業を中心に活躍中。東京成徳大学客員教授(心理学修士)。「日本語検定」審議委員を担当。

 著書に『すべらない敬語』『そんな言い方ないだろう』『敬語力の基本』『最初の30秒で相手の心をつかむ雑談術』『毒舌の会話術』『プロのしゃべりのテクニック(DVDつき)』『即答するバカ』『あぁ、残念な話し方』『会話のきっかけ』(新潮新書)、『ひっかかる日本語』 (新潮新書)、『新米上司の言葉かけ』(技術評論社)ほか多数。最新刊に『まずは「ドジな話」をしなさい』(サンマーク出版)がある。

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