最強チームのつくり方

この記事をはてなブックマークに追加 この記事をmixiチェックに追加
印刷
2014/6/19  (1/5ページ)

「依存する人」が「変化を起こす人」に成る

 リーダーは、短期の視点に立ち、目標達成の舵取りをすることも大事ですが、中期・長期の視点に立って次期リーダーを育成することも同じくらい大事です。

 消極的な社員を積極的な社員に変え、指示待ちの社員を自発的・主体的に考え行動ができる社員に育てることも、リーダーには求められています。

 ビジネスリーダーは知識や経験が豊富であり、他の社員に比べ職務遂行能力が高いので、どうしても、部下にまかすべき仕事を自分でやってしまう傾向が強くなります。また、数少ない有能な社員に仕事の依頼がかたよってしまうこともしばしばです。このほうが、効率を重視して、短期で結果を出さなければならない場合には仕事が回りやすいからです。

 ただ、長期にわたって安定した組織の繁栄を可能にするためには、自発的・主体的に考え行動できる数多くの「主体者」を育成することが必要になります。

 この「主体者」がチームワークを発揮することによって、1+1を3以上にするチームダイナミクスが生まれるのです。

 効果的なチームワークを築くには、主体者の育成がまず必要になります。

 ここで、依存体質の人たちがチームワークを発揮するケースを見ていきましょう。

 依存者は仲間づくりが上手ですが、彼らが発揮するチームワークは、組織に対してマイナスの影響を与えます。彼らは一致団結し、自分たちが何かをやらないための言いわけや正当化の根拠などを考えることに意識とエネルギーと時間を集中します。

 また、依存者は、抜け駆けを極端に嫌います。仲間が成功したり、主体者への道を選びはじめると、その人を裏切り者と見なします。そして、敵意、あせり、嫉妬というマイナスのモチベーションから、その人を徹底的に叩きはじめます。陰口、誹謗中傷、意地悪、無視などを通じて、足を引っ張るのです。

 一方で、主体者が集まると、彼らはプラスの刺激を互いに受けていきます。仲間がさらに高いレベルへと上がっていくと、その足を引っ張るのではなく、俺たちもがんばろうという意識が芽生えます。また、彼らは、自らの自発的・主体的な数々の活動を通じて、多くの「気づき」を手にしていきます。主体者の集まりに身を置くと、意識とモチベーションが飛躍的に向上していくのを実感できるのです。

 依存体質の人たちを主体者にステージアップさせる最も効果的な方法は、彼らによい体験をさせることです。「よい体験をさせる」とは、正しいプロセスで成果を創り出す体験をさせることを意味します。

 正しいプロセスとは、ラクをしてトクするといった、タナボタ的な偶然によって成果を手にすることではなく、はじめから全体像をイメージし主体的に行動し、ときには苦労をしながら成果を手にするプロセスを指します。不正なプロセスで成果を創り出しても彼らはステージアップすることはありません。

 この正しいプロセスの中で、リーダーがコミュニケーションスキル(書籍の第2章で解説)を使うことによって、より早くより確実に、彼らの成長を力強くサポートすることができます。さらに、彼らとの対話を通じて、プロセスの「振り返り」や、うまくいった点、うまくいかなかった点などの「検証」もしてください。

<< >>
バックナンバー

この連載の一覧
著者プロフィール