イノベーター進化論

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2015/6/12  (3/7ページ)

食品業界の「3分の1ルール」を打ち破る

――企業活動の中で、食品ロスが発生してしまう構造について教えてください。

 例外を除き、食品メーカーは受注生産ではなく、見込みで商品を作ります。ですから全量をきれいに売り切ることはほぼありません。当然ながら余剰在庫や返品が発生します。メーカーはその残った商品をどうするか。大きく分けて3つの方法があります。

 1つは、クローズドマーケットでの販売です。社内販売や社員の家族向けなど対象を限定したセールなどがそれに当たります。最近はファミリーセールと称して、会員向けに類するイベントを実施している企業も増えているようです。

 2つ目の売り先としては、ディスカウントストアや、ワケあり商品を扱う大手EC(電子商取引)サイトなどがあります。

 3つ目、いわば最後の手段が廃棄です。賞味期限が間近、販売が終了した、パッケージのダメージやリニューアル、××限定商品のため他で売れないなど廃棄の理由は様々。また食品ロス削減の大きな足かせになっているものに、食品業界で暗黙の了解となっている「3分の1ルール」があります。

――「3分の1ルール」とは何ですか。

 例えば、賞味期限が6カ月の商品の場合、期限の3分の1となる製造後2カ月までの商品しかスーパーやコンビニエンスストアなどの小売店に卸さないというルールです(図参照)。つまり、1月に製造した商品であれば、2月いっぱいまでしか出荷しないということです。

 またメーカー側も賞味期限が残り3分の1になると、品質保持のためそもそも市場へ出さない。だから廃棄を前提に、それに必要な費用を予算化している企業も少なくありません。大手メーカーであれば億単位のお金がかかりますからね。

賞味期限設定に関する3分の1ルール
「加工食品・日用雑貨業界全体の返品額推計(2011年度)」(公財)流通研究所の資料より賞味期限設定に関する3分の1ルール
「加工食品・日用雑貨業界全体の返品額推計(2011年度)」(公財)流通研究所の資料より

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