イノベーター進化論

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2015/6/12  (4/7ページ)

SNSが「食品ロス」を加速させることに

――なぜ企業はそれだけ莫大なコストをかけても廃棄という手段を選ぶのでしょうか。

 値崩れによるブランドイメージの低下や利益の減少を防ぎたい、というのが最も大きな理由です。

 賞味期限が残り少ない商品は値下げしないと売れません。頻繁に安値で販売されるようになると、ブランドイメージにもいい影響は与えないうえ、消費者の中には正価で買わなくなる人も出てきます。勢い流通は限定的となり、トップブランドほど廃棄という方法を取るわけです。

 また、現実に、賞味期限が近付いた商品は値下げしてもなかなか売れる場自体がない。商品をずっと在庫として抱えていても商品価値は下がっていくばかりだし、保管費用もばかになりませんから、早い段階で廃棄処理しようとことになるのでしょう。

 昔はまだよかったのです。余剰商品を社内販売したり、地方の小さな商店などでひっそり売ったりすることができました。今はそれができません。なぜならソーシャルメディア(SNS)の発達で、クローズドマーケットの販売情報がオープンになり拡散してしまうからです。内々に処理しにくくなっているのですね。

 そこに何がしかの仕組み、二次流通のようなものがあれば食品ロスを防げるのではないか。どうせ情報が拡散してしまうなら、いっそオープンにしてしまえばいい――。そうした発想が「KURADASHI.jp」につながっています。

 私はかつて大手総合商社に勤務し、川上から川下までの現場をつぶさに見てきました。それぞれの段階で否応なくロスが生じ、それが販売の機会を与えられることなく廃棄されていく姿を目の当たりにして、いたたまれず、何とかできないものかと常々思っていました。そうした問題意識から余剰在庫に特化したコンサルティングを手掛けるようになり、現在に至ります。

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