ビズアカ・インタビュー

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2016/3/16  (1/3ページ)

丸の内キャリア塾×女性の健康週間

東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座教授
公益社団法人 日本産科婦人科学会
女性活躍のための健康推進委員会委員長

大須賀 穣(おおすが・ゆたか)さん

 1985年東京大学医学部卒業、同産婦人科に入局。95年、医学博士取得。95〜97年米国スタンフォード大学に留学。主たる専門は産婦人科手術、不妊症治療、子宮内膜症治療など。社会活動、学会活動を通して女性の健康支援の重要性を訴えている。

女性の社会進出による変化
健康維持へ包括的支援を
 

 毎年3月1日~8日は「女性の健康週間」。日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は、この時期に女性の「生涯の健康」を総合的にサポートするためのさまざまな取り組みを行っています。女性活躍のための健康推進委員会委員長の大須賀穣さんに聞きました。

◇   ◇   ◇

時代とともに変化する
女性の健康環境
 

 ――近年の女性の健康を取り巻く環境の変化について、どのように感じていますか。

 大須賀 約30年前、私が産婦人科医になった頃は、20代の妊婦さんのお産と、50~60代のがん患者さんの治療の2つが主な仕事でした。それが現在は様子が変わってきました。お産については少子高齢化が進み、初産婦の年齢は30代が増え、経産婦が少なくなっています。50~60代が主だった子宮頸(けい)がんは、30代がピークと若年化しています。

 不妊治療を受ける患者さんの年齢も大きく上昇しています。昔は30代前半で受診していたのが、晩婚化によって現在は30代後半が当たり前です。それまで仕事をしていて、いざ子どもをつくろうと思ったらなかなかできないので病院に来たという人が大勢います。不妊症の原因はさまざまで、原因によって治療法は異なりますが、35歳くらいから卵巣機能が衰えはじめ、しかも時間がないということから、治療は効率性を求めて体外受精が多くなりました。

 そのほかの変化としては、一般的に女性が疲れているように感じます。女性の社会進出は進んでいますが、社会的地位がなかなか向上しないので、女性にとって相対的に過重労働になっているのではないでしょうか。その結果、ストレスや睡眠不足、過食・拒食などによってホルモンバランスが乱れ、体調不良が表れ、種々の婦人科疾患が起きやすくなっています。特に多いのが月経関連疾患で、この原因は明らかです。出産を経験する人は、多くの場合、妊娠中の1年間と授乳中の2年間程度、合わせて3年間程度は月経がないので、若いときから何人も出産していれば、十数年以上も月経がありません。

 しかし、現代の女性は昔よりも初経年齢が早まり、さらに妊娠する年齢は遅く出産回数も減っているので、昔の女性に比べて非常に多くの月経回数を経験しています。月経が多ければ関連する病気や症状も増えることは当然で、代表的なものに子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、月経前症候群などがあります。また女性に特有の卵巣がんや子宮体がんが増えていることや、子宮頸がんや乳がんの若年化が問題になっています。

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