ヤング・グローバル・リーダーにきく

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2012/4/18  (1/3ページ)

InTecur, K.K.創業者兼最高経営責任者
齊藤ウィリアム浩幸さん

 アメリカに日系二世として生まれた齊藤ウィリアム浩幸氏。13歳にして飛び級で高校に入学、高校の近くに住んでいたドラッカーの話に影響を受け、14歳でI/O Software社を起業、経営のかたわら医師免許も取得したという異色の経歴をもつ。2004年に同社をマイクロソフトに売却後、東京に新会社を設立。国内外の企業や教育機関、政府へのアドバイザーとして活躍している。2011年には世界経済フォーラムのYGL(ヤンググローバルリーダー)にも選出され、ますます活躍の幅を広げる齊藤氏に、日本の若手ビジネスパーソンへの提言を聞いた。

■アントレプレナー=起業家ではない

――現在は日本に拠点を移し、企業経営と同時に起業やイノベーションについてのコンサルティングも多数手掛けられています。ご自身も起業家の一人として何か感じることはありますか?

 いろいろな問題がありますが、最も根本的な問題は、日本ではアントレプレナー(entrepreneur)=起業家だと誤解されている点です。本来、アントレプレナーとは「イノベーションを担う人」を指す言葉。起業家はその一部でしかありません。

 しかし日本では起業を目指す人にしかアントレプレナーシップが論じられない。ここが最大の問題だと思いますね。起業しなくても組織に属していても、「イノベーションに取り組みたい」という意志さえあれば誰でもアントレプレナーになれるのです。この認識を広めて、各分野のイノベーションをもっと積極的に進めるべきです。

――日本で起業家輩出やイノベーションが進みにくい理由はなんでしょうか?

 理由は大きく分けて二つ。一つは社会のサポート体制が整っていないことです。たとえば私はアメリカで14歳の時に起業しましたが、周囲の様々なサポートを受けることができました。「よし、やってみろ」と励ましてくれる人が周囲にたくさんいたのです。まだほとんど実績のない私に、仕事をくれる企業もありました。

 一方、日本ではどうでしょう?「まだ早い」「まず大学を出てからにしなさい」「実績のない人とは取引できない」などと言われるケースがほとんどでしょう。

 もう一つは教育の問題です。家庭教育・学校教育ともにイノベーションの芽を摘むような姿勢が目立ちます。例えば世界の子どもたちを対象にしたビジネスプランコンテスト。審査をしてみると、日本の子どもも小学校3年生くらいまでは非常にクリエイティブで面白い発想の案を出します。

 ところが、4年生以上になると急に面白くなくなる。私は受験勉強の影響ではないかと考えています。家庭でも、日本では子どもが決められたレールを外れようとすると両親が猛反対をしますね。大学生ですら、本人が留学を決めても母親が「就職時期が遅れる」などと言って反対する例をよく見聞きします。

 企業や学校、そして両親の意識が変われば、日本にももっと多くのアントレプレナーが育つのではないでしょうか。

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