社会起業家インタビュー ~社会問題に挑戦するイノベーターたち~

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2013/3/19  (2/5ページ)

■法律の壁をアイデアで超える!

もともと起業家を志していた川添氏が医療・看護問題に関心をもつようになったのは、高校時代のこと。ボランティアで訪れた高齢者介護施設のずさんな体勢に問題意識を持ったのが、きっかけだった。大学は看護医療学部に進学し、看護師・保健師の資格を取得。卒業後はコンサルティング会社に就職して経営の基本を学んだあと、大学病院に看護師として勤務し、医療の現場を経験した。

 大学病院で多くの患者さんと接して、痛感したのは「予防の大切さ」です。

特に糖尿病や動脈硬化など生活習慣病の患者さんの多くは、予防や早期治療をすれば重篤化を防げたケースが非常に多いのです。「もっと早く検診を受けておけばよかった」と後悔される方もたくさんいらっしゃいました。

 そこで思い出したのが、大学時代に留学先のアメリカで見た「ミニッツ・クリニック」いうサービスです。このサービスは、大型スーパーの中などに簡易店舗を構え、ナース・プラクティショナー(一部の医療行為が認められている看護師)が常駐して検診~診断、簡単な治療を病院よりも安価に行うというもの。病院に行く経済的余裕がない人や、「病院に行くほどでもないけど、ちょっと診てもらいたい」という人のニーズにマッチしたビジネスです。僕は、日本でも同じようなサービスが提供できれば、検診弱者を減らせるのではないか?と直感し、事業プランを練り始めることにしました。

 しかし、すぐに法律の壁に突き当たりました。日本では医師以外に医療行為が認められておらず、ナース・プラクティショナーに該当する資格もないため、医師を雇わない限り、健診に必要な「採血」ができないのです。採血ができなければ、生活習慣病の検診はできません。

 それでもあきらめきれず、なんとか法律をクリアできないか?と必死に考えるうちに、大学の実習で糖尿病患者の方が血糖値測定のために自己採血している様子を見たのを思い出しました。そう、他人の採血は医療行為ですが、自分で自分の血を採る「自己採血」なら、医療行為にならないのです!これなら法律の壁は越えられます。「利用者に自己採血してもらった血液を検査する」というケアプロ独自の事業プランが、やっと具体的な形で動き出しました。

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