いまどき若手教育

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2014/3/19  (1/2ページ)

溶けた鉄を流し込む砂型づくりに励む参加者(大阪市の恩加島事業センター)溶けた鉄を流し込む砂型づくりに励む参加者(大阪市の恩加島事業センター)

 クボタが社内競技会を定期開催することで、鋳鉄の技術を若手に伝承している。競技会は国家資格などに準じた研修制度とは別に、将来のリーダー候補の育成や、技術者のスキル向上を目的とするイベント。手作業で技能を競ってもらうことで、機械化された生産ラインでは気づきにくい金属の特性を学んでいる。

 2月20日の朝、クボタの鋳鉄生産拠点である恩加島事業センター(大阪市)。大阪湾近くの工場地帯で、今年3回目となる技能コンクールが始まった。工場やグループ会社ごとの作業着をまとった11人の参加者がしゃがみ込み、時にひざまずいて砂型づくりに励んだ。

 コンクールではケイ酸ナトリウムをかけた砂に二酸化炭素を吹き込んで固め、決められた形の型枠を作る。参加者は溶けた鉄を流し込んで出来栄えを競う。足の裏から冷気が襲うのにもかかわらず、額には汗が浮かぶ。

 鋳鉄は「湯」と呼ばれる溶けた鉄を砂型に流し込み部品などを作る技術。鉄を複雑な形状に加工するのに適しているという。農機と水道管という一見畑違いに見えるクボタの主力事業はいずれもこの鋳鉄がルーツだ。今でもエンジン部品や水が流れやすいように内部を複雑に細工したパイプなど、いわば商品の心臓部を恩加島センターとタイで生産している。

 鋳鉄の生産現場では砂型づくりや、溶けた鉄の流し込みなど自動化が進んでいる。手作業の場面はほとんどない。それでも「金属加工の基礎を理解していなければ、実際の生産ラインで効率化のためのアイデアが生まれない」(小川謙四郎品質・モノづくり本部長)。コンクールの目的は手作業の経験を通じて普段気がつかない発想を引き出すことにある。

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