セミナー体験記

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2012/5/8  (1/3ページ)

 「クールジャパン」と呼ばれ、海外で高く評価される日本のゲームやマンガ、アニメ。日本はコンテンツ輸出国である。でも、本当に日本だけが“クール”なのか。日本人だって、韓流ドラマやK-POPといった韓国発のコンテンツなどに魅了されているではないか――。

「アジアでは日本と韓国は競合相手だが、欧州や南米などでは協調してコンテンツビジネスを展開していける」と話す金泳徳氏。「アジアでは日本と韓国は競合相手だが、欧州や南米などでは協調してコンテンツビジネスを展開していける」と話す金泳徳氏。

 そんな疑問を抱きながら「ネットコンテンツ、メディア企業のグローバル(アジア)展開と資本戦略」と題するセミナーに参加した。主催したのは新日本有限責任監査法人だ。会場は約100人の参加者であふれ、コンテンツビジネスへの関心の高さが感じられた。セミナーは2部構成となっており、第1部は「アジア展開に成功した韓国ネットコンテンツビジネスの概況とその知財戦略」をテーマとする。

 先陣を切って登壇したのは、韓国コンテンツ振興院日本事務所所長の金泳徳氏。「日韓コンテンツビジネスの現場と取り組み」というテーマで講演を行った。

 金氏によれば、日本は韓国コンテンツの最大の消費国であり、放送は全体の5割、音楽は全体の8割を占めるほどだという。ドラマ「冬のソナタ」に始まる韓国コンテンツの日本での人気は年々高まっているのだ。

東京・新大久保にみる韓国発のコンテンツの貢献度

「韓国では権利者に対する保護強化の傾向は強まっている」と指摘する朴寅東氏。「韓国では権利者に対する保護強化の傾向は強まっている」と指摘する朴寅東氏。

 韓国料理屋などが数多く集まる東京・新大久保は、連日、中年女性をはじめとした日本人が大挙して押し寄せているという。少し前まで、韓国料理好きのマニアが訪れるぐらいの町だった新大久保が一変したのは、むろん韓国発のコンテンツの貢献度が高い。

 韓国コンテンツは、なにも日本人だけに受け入れられているわけではない。中国や香港、台湾といったアジアの国と地域を中心とし、ブラジルやフランスにも輸出されているという。しかもそうした国々では、韓国の電機メーカーなどが売り込みを図っているという。なんともしたたかではないか。

 翻って日本企業に目を向けると、ゲームやマンガ、アニメを切り口としてメーカーが製品を輸出するといった話はあまり耳にしない。少しもったいないような気がするのは私だけだろうか。

 さて、金氏の話に戻ろう。「アジアのコンテンツビジネスにおいて、日本と韓国は競合相手だが、欧州や南米などといった地域では、協調してビジネスを展開していける」と話す。日韓の俳優が共演する映画が、世界中で大ヒットになった――。そんな日がいつか来るのかもしれない。

権利者に対する保護を強化する韓国

「韓国市場に上場する外国企業は17社。そのうち15社が中国企業」と説明する申勳湜氏。「韓国市場に上場する外国企業は17社。そのうち15社が中国企業」と説明する申勳湜氏。

 2人目の講演者は法務法人(有)和友の弁護士である朴寅東氏。演題は「韓国における知財管理~コンテンツ・メディア事業を中心に~」だ。

 朴氏の講演のなかで気になったのは、韓国での著作権の保護年数が70年であり、日本の50年より20年も長いということ。しかも、権利者に対する保護強化の傾向は強まっているという。

 フリーライターとしてコンテンツ業界の末席を汚す私にとって、今はほとんど関係ないが、将来、もし書籍を世に出したときになるべく長く著作権を保護してもらった方がいいような気がした。捕らぬ狸の皮算用ではあるが……。

 3番目に登壇したのは新日本有限責任監査法人 韓国デスク/アジア市場上場支援室シニアマネジャーの申勳湜氏。「韓国進出・韓国上場のトピック」と題する講演を行った。

 申氏は韓国における外国企業の上場現況として、Kospi市場とKosdaq市場を合わせ、2012年3月26日現在で17社あると説明。そのうち15社が中国企業だという。どうした日本企業! 日系の上場企業が1社もないのは少しさびしい気がしたのと同時に、中国企業の勢いを感じた。

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