セミナー体験記

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2013/9/24  (1/3ページ)

 中国最高峰の大学である北京大学が日経Bizアカデミーと協力して、日本で「北京大学外資企業EMBA 高級研修班 日本クラス」を2013年11月から立ち上げる。EMBAは企業のエグゼクティブ向けのMBA講義だ。開講前の特別講義「北京大学 中国ビジネス エグゼクティブセミナー」が東京で8月に行われた。

 中国との関係をどうするか。どの立場にいても、日本のビジネスパーソンが必ず考えなければならない問題だ。中国は経済成長を続け可能性に満ちた国だ。一方で先行きには不透明感が漂う。北京大学の知の力を身につければ、中国との付き合い方が見えてくるかもしれない。

 北京大学にとって初めての海外での企業エグゼクティブ向けの講座となる。「東京で行う目的は2つの発展のためです」。同大学経済学院の副院長兼教授、そして大学の共産党委員会書記の章政氏は流暢な日本語で語りかけた。章教授は日本へ留学し、そして日本企業での勤務経験もある知日派だ。

北京大学経済学院の章政・副院長兼教授北京大学経済学院の章政・副院長兼教授

 2つの発展とはビジネスと私たちの人生におけるものという。「今はアジア、そして中国を知らないと、どのようなビジネスもうまくいかないでしょう。そして今は人生90年時代。中国との関係を深めることは、ビジネスと結びつきながら人生を豊かにしていくはずです」という。

■統計を信じるな、利用せよ

 章教授は「中国の市場経済の現状―経済統計の裏側を読み解くポイントとは?」という講義を行った。「1 中国の統計をどうみるか」「2 中国の特質は何か」「3 中国の抱える社会問題をどのように考えるか」という、3テーマをめぐる講義だ。

 統計から見た中国は急速な変化を遂げている。今年のGDPの成長率は年率7.6%だ。そして毎年9%以上の成長がこの10年続いた。一方で章教授は統計には信じられない面が多いことを認めた。

 中国では統計に出ない情報がたくさんある。例えば中国の人口は公式統計では13.5億人だ。しかし農村部には「一人っ子政策」という産児制限のために、政府に届け出ない「闇の子」がいる。実数を誰も把握していない。

 数字が正確でも実態を反映しないことがある。中国の平均所得は1人当たり6000ドル。一方で日本は約4万ドルだ。普通の国なら平均付近が最も多く、それを見ればその国の平均像がある程度分かる。ところが中国は平均が実像を伝えない。差が大きすぎるのだ。

 そこで章教授は「統計を『3、30、3000』で見ることを考えてほしい」と述べた。「3」とは、沿岸部、内陸部、西部の区分だ。上海などの発展した都市や工業地帯は沿岸部に集中し、ここの11の省は所得がEU平均に近づきつつある。内陸部の河南省などの11の省は全国平均の6000ドルよりやや下。そして西部地域は、まだ開発の途上だ。

>> 統計は県レベルで精査すべし

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