セミナー体験記

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2012/9/4  (1/4ページ)

 元陸上選手で、世界大会のトラック種目で日本人初となる2つのメダルを獲得し、3大会連続オリンピックに出場した為末大氏。現役引退後初のプロジェクト「為末大学、開校~議論の出来る人間を育てたい」(会場:国連大学 ウ・タント国際会議場)に参加した。体格に恵まれないなか、世界の一流選手と伍して戦ってきた為末氏は、競技生活でどんなことを感じてきたのだろうか。そして、日本人が世界で活躍するためには、どんな素養を身につければいいのか。二十年ぶりに“大学生”に戻ったつもりでイベントに臨んだ。

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オリンピック金メダリストの自分勝手な発言は許されるのか

為末大氏は「日本人の苦手な“議論”や“物事の本質をつかむ力”を鍛える場として、自分の言葉で議論することのおもしろさと難しさ、学んでもらいたい」と考え、為末大学を開校した。為末大氏は「日本人の苦手な“議論”や“物事の本質をつかむ力”を鍛える場として、自分の言葉で議論することのおもしろさと難しさ、学んでもらいたい」と考え、為末大学を開校した。

「初めて参加した陸上カンファレンスで、海外の選手は協会スタッフと熱く議論を交わしていた。自分はそれを傍観するだけで、このままではいけないと思った」――。為末大氏はイベントの冒頭でこう語った。

 ご存じの通り、為末氏は「侍ハードラー」の異名を持つ元陸上選手。同氏が「為末大学」を開校した理由は日本人の苦手な“議論”や“物事の本質をつかむ力”を鍛える場として、自分の言葉で議論することのおもしろさと難しさを学んでもらいたいと考えたからだそうだ。

 イベントには、為末氏のほかに東京大学大学院経済学研究科教授の柳川範之氏と、ハーバードMBAを日本人医師として初めて取得した山本雄士氏がスピーカーとして迎えられた。為末氏がファシリテーターとなり、参加者を交えてのディスカッションが進められた。

 為末氏が最初に参加者へ問いかけたのは「オリンピックで金メダルを獲得した選手が、インタビューで『この金メダルは自分ひとりの力で取ったもの。誰にも感謝していない』と言った場合は、あなたなら許せるか」ということ。

 私は「許せる」と思った。倫理的には正しくないが、誰もが自由に発言する権利はあると考えたからだ。ほかの参加者の多くも「許せる」を選んでいた。その人数はその後、「オリンピック選手には国民の税金を原資とした強化費が充てられている」と説明されてもそれほど減ることはなかった。

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