東は慶大院、西は京大院 ともに2年連続で首位
通いたいビジネススクール 2013年調査 日経・日経HRが実施
「知名度」が基準に
調査は、東日本と西日本のそれぞれで通ってみたい国内の大学院(経営学修士=MBA=または類するコース)を1位から3位まで選んでもらい、1位は3点、2位は2点、3位は1点を配点して総合点でランキングした。
その結果、首位は東日本が慶應義塾大学大学院の経営管理研究科(1477点)、西日本は京都大学大学院の経営管理教育部(1753点) となった。
東西の首位となった両校を選んだ理由をみると、慶大院経営管理研究科は、「知名度が高いから」が46.9%と最も多く、「企業から評価されている」が23.7%、「ビジネススクールとしての歴史がある」が20.3%で続いた。
一方、京大院経営管理教育部については、やはり「知名度が高いから」が56.7%でトップだった。以下、「卒業生が優秀だから」が20.8%、「企業から評価されている」が13.9%となった。
東日本の2位は早稲田大学大学院商学研究科(1048点)、3位は一橋大学大学院商学研究科(841点)が続いた。
西日本の2位は神戸大学大学院経営学研究科(1200点)、3位は同志社大学大学院ビジネス研究科(688点)の順だった。
トップ3は、東日本で前年6位から3位にランクアップした一橋大院を除いて、前年と同じ大学院が同順位となった。選んだ理由をみると、首位と同様に「知名度」を挙げた回答者が多い。
選んだ理由別、「教授、講師陣」「仕事と両立」の高評価は
通ってみたい大学院を選ぶ際、知名度で選ぶことは間違いではないが、ある大学院の教授は「知名度など外的要因ではなく、教育カリキュラムの充実度や教授陣のよさなど内的要因を見てほしい」と話す。ビジネススクールはどこの大学院を修了したかより、研究を通じて仕事に直結する知識やスキルがどれだけ身に付いたかが重要であるためという。
知名度で選ばれた大学院が多い中、「教授、講師陣」で選ばれたのは、東日本7位のビジネス・ブレークスルー大学大学院。経営コンサルタントの大前研一氏が学長を務める。教員の約95%が5年以上の実務経験者であるなど、実践的な教育を受けることができる。
実際に志望校を選ぶときには、ランキングは1つの指標とした上で、大学院の説明会に参加するなどして、各校の特徴を理解してから決定するようにしたい。
「学費が安い」では国公立が上位に
働きながら大学院に通うのならば、仕事と学業の両立は気になるところだろう。「仕事と両立できる開講時間のカリキュラム」の回答比率が高かった大学院の1つ、グロービス経営大学院大学は通学のしやすさが特徴。講義は平日夜間と土曜・日曜に行い、1科目は隔週・3カ月で修了できるため、仕事の状況に応じて通学曜日や回数を変えられる。
「国際的に評価」の項目は、英国国立オープン・ユニバーシティ、テンプル大学ジャパンキャンパスなど海外の大学院が上位に挙がった。立命館アジア太平洋大学大学院は日本の大学院であるが、講義の全てを英語で開講するなどの特徴がある。
「学費が安い」の項目は東日本と西日本合わせて10校のうち、9校を国公立大学院が占めた。首都大学東京大学院は、1年目に支払う入学金と授業料を合わせると80万2800円(13年度予定額、東京都民以外)。私立の大学院の初年度納入金は、平均130万円前後であるため、この金額は魅力的だ。
世界の人気校ランキング、首位は米ハーバード大経営大学院
グローバルに活躍できる人材へのニーズの高まりを受け、海外のビジネススクールに関心を持つ人もいるだろう。
今回の調査では、国内外のビジネススクールの学費を社費や無償の奨学金でまかなうことができ、各国・地域の生活費もほぼ同じだと仮定して、1~3位までを選んでもらい、1位に3点、2位に2点、3位には1点を配点して総合点を集計した。
その結果、米ハーバード大学経営大学院が2635点で首位に立った。選んだ理由は「国際的なランキングで評価されている」が46.9%と最も多く、「知名度が高いから」が38.0%、「卒業生が優秀だから」が29.7%となった。
2位には米スタンフォード大学経営大学院が1433点で入った。選んだ理由は首位のハーバード大院と同じく「国際的なランキングで評価されている」が最も多く43.8%を占め、「知名度が高いから」が37.9%で続いた。3位は米マサチューセッツ工科大学スローン校で896点だった。
日本勢では、慶大院経営管理研究科が413点で4位に入り、早大院商学研究科が342点で5位につけた。9位には京大院経営管理教育部(284点)、11位には一橋大院国際企業戦略研究科(233点)が入っている。
[日経Bizアカデミー2013年7月30日付]