探訪ビジネススクール

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2015/12/19  (1/5ページ)

 米国の名門ビジネススクール、ペンシルバニア大学ウォートン校。リーダーシップ論で知られるマイケル・ユシーム教授が来日し、15日、東京・大手町で「リーダーシップとガバナンス」をテーマに講演した。ハーバードやスタンフォードなど米有名大学のビジネススクールとは一味違う、ウォートン流のリーダーシップ開発術とは何か。

ユシーム教授ユシーム教授

 「リーダーシップはいつ必要になるのでしょうか」

 まずユシーム教授はこう話を切り出す。「経営環境が大きく変化している時、不確実な時にリーダーシップは大きな意味を持つのです」と語る。

 メディアで目立つのはトップリーダーである最高経営責任者(CEO)です。米経済誌「フォーチュン」も1人のCEOで表紙を飾ります。しかし、リーダーシップというのはチームで培うものであり、個人で磨くものではありません。

有能なアナリストはCEOの発言で業績予測しない

 米国には株式関係のアナリストは約9000人います。彼らは3ヵ月後、1年後の上場企業の業績を予測をします。その場合、著名なアナリストはどうするでしょうか。例えば、ご存知のウォルト・ディズニー。ロスアンゼルスの本社を訪問し、経営陣に業績に関するインタビューをします。まずボブ・アイガーという著名なCEOにヒヤリングするでしょう。その際「競合他社は過大評価され、われわれは過小評価されている」と強調するかもしれません。仮に8時間の本社滞在時間を与えられたら、どうしますか。

 その場合は他の10人の経営陣に次々インタビューし、経営戦略やビジョンが共有されているのかチェックする必要があります。アイガー氏は「私だけに聞けばいい」と主張するかもしれませんが、多くの経営陣と対話するほうが、業績予測を正しく判断することが可能になります。有能なアナリストは1人のCEOをヒヤリングして、業績予測するようなことはしません。

 著名なアナリストは月100万ドル以上の報酬を手にしますが、業績予測が外れれば、リストラの対象となるでしょう。非常に厳しい世界なのです。

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