よくわかる・戦略思考の理論と実践術

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2014/12/10  (1/9ページ)

◇なぜ競争が起きるのか?~経営戦略の巨匠に学ぶ

 前回は、P.F.ドラッカー博士のマネジメントについて、「いかに優れた部分最適も、全体最適に勝てない」「やみくもな規模の拡大ではなく、利益を伴う成長を目指せ」「イノベーション(革新)の継続」などを説明しました。

 今回は、ハーバード大学経営大学院教授のマイケル・ポーター(Michael Eugene Porter)博士です。経営戦略における巨匠であり、競争戦略論の第一人者です。

 【問題】なぜ競争が起きるのか?
 営業一筋20年の佐久田課長は、家電メーカーに勤務しています。佐久田課長の口癖は、「もう競合との競争に疲れたよ……」です。あっと驚く新製品を出しても、すぐに競合に新製品を出されて売上が失速。もう競争に疲れてしまった佐久田課長です。

 競争ってなくならないものなのでしょうか?

 【解答例】
 そもそも、競争とは何でしょうか?

 「競争とは、2つ以上のものが競い合うこと」です。競い合うつもりがなくても、競いたくなくても自ずと競争は起きるのです。

 たとえば、ある商売をして儲けている人(会社)があったとしましょう。それを知った他の人は、自分も成功者のマネをして大もうけしようと企むでしょう。その結果、その市場は競争業者が増加し、競争が起きるのです。

 「誰かが儲けている」という情報が早く伝わるほど、マネをするタイミングも早くなるのです。つまり、短期間に競争が激しくなります。近年の情報化社会では、以前に比べて短期間で競争が激しくなる傾向にあるのです。

 競争がない企業はあるのでしょうか? かつての国営企業は、競争がなかったのです。ただし、国内だけの話です。海外との関係では競争は存在します。旧ソ連の国営企業も、90年代に市場経済に移った結果、国際間の自由競争にさらされています。ロシア国民は、国営企業の製品より、海外からの安くて高品質な製品を求めるからです。ときには、闇貿易に発展したのです。

 国が既存企業を守るために厳しい法規制により競争を制限することは一時的には可能です。しかし、世界的に規制緩和への要請が高まるなか、競争がない状況を永遠に続けることは困難です。

 いかなる企業も競争から逃れることはできないのです。

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