よくわかる・戦略思考の理論と実践術

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2014/12/17  (1/7ページ)

◇万人受けを目指すのか、ターゲットを絞り込むのか?

 前回は、M.E.ポーターの競争戦略について説明しました。「競争とは何か」「戦略とは何か」「3つの基本戦略」「5つの競争要因」などについてお話しました。

 今回は、P.コトラーのマーケティングです。マーケティングは、「売れるしくみ作り」と言われます。マーケティングを制する者が市場を制するといっても過言ではありません。

 【問題】
 健康器具を製造販売している田中電機では、スチーマーの商品企画会議で意見の対立が起きています。スチーマーとは、機器から出る水蒸気を、顔、腕、足、体などに当てて、肌の潤いを取り戻す健康関連製品です。

 1つめの意見は、より多くの人に売るためにより多くの消費者を対象に設計すべきだというものです。機能をたくさん付けて、全身対応のスチーマーにする案です。全身対応であれば、より多くの市場が開拓できるというという主張です。

 2つめの意見は、思いきって絞り込んで、顔だけに限定したフェイスケア・スチーマーにすべきだという意見です。女性にとって、顔の肌は、他の部位の肌に比べて別格に優先順位が高いという主張です。顔に限定する代わりに、スチームのパターンを増やして3種類にするという案です。

 さて、どちらの案がお勧めですか?

 【解答例】
 全てに合格点を目指すよりは、差別化がわかりやすい製品の方が、購買動機につながります。「何となくいいね」よりも、「これがいいね」の方が、購入しようという気持ちを押すのです。

 平均点を上げるために満遍なく努力するよりは、一点集中で、ある分野でダントツを目指すのです。ある分野でダントツを目指した方が、顧客に差別化を伝えやすく、顧客から見てわかりやすい商品になるのです。会社としても、平均点を上げるには、広範囲での努力が必要ですが、一点集中であれば、短期間で成果を出しやすいのです。フェイスケア・スチーマーの選択がお勧めです。

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