国際弁護士・湯浅卓のTOEICビジュアル・リスニング術

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2016/3/29  (2/4ページ)

信じられないほど鮮やかな未来予測

 次のセリフの「he」が指しているのはジョナサンです。アーサーは、巨大コンピューターしかなかった時代(もちろんパソコンなどありません)に、未来のジョナサンがどんな生活を送っているかを信じられないくらい鮮やかに予測してみせます。

 …… [H]e will have, in his own house, not a computer as big as this, but at least a console through which he can talk to his friendly local computer and get all the information he needs for his everyday life, like his bank statements, his theater reservations, ……

 (……彼〔ジョナサン〕は自宅に、この大型コンピューターより小さなコンピューターを持つか、少なくとも入力操作装置でローカル・コンピューターと通信して、日々の生活に必要なすべての情報を得ることができるようになるだろう。たとえば、銀行の取引明細書や劇場予約……)

 両方の映画をご覧になった方は気付かれたと思いますが、「2001年宇宙の旅」が描くモチーフとこの作品でフィーチャーするスティーブのあいだには象徴的な連環があります。

アーサーとスティーブの共通点

 さて、上記のドキュメンタリー映像には、大型コンピューターが所狭しと並んでいる部屋で働いている技術者たちが登場します。インタビュアーが「未来の私たちの暮らしはコンピューターに依存する社会になってしまうのでしょうか」と質問すると、アーサーはそれをあしらうがごとく切り返します(繰り返しになりますが、このシーンに登場しているのは、映画の役者ではなく本物のアーサーです)。

 In some ways, but they will also enrich our society because it will make it possible for us to live, really, anywhere we like. Any businessman and executives could live almost anywhere on Earth and still do his business through a device like this. And this is a wonderful thing……

 (ある意味ではそうとも言えるが、それがわれわれの社会を豊かにもします。なぜなら、そのおかげで、本当に、どこでも好きなところに住めるようになるんですから。あらゆるビジネスマンとビジネスエグゼクティブが地球上のほとんどどこでも住めるようになり、いま語ったような装置によって、そこで変わらず自分の業務を遂行できるようになるでしょう。これは素晴らしいことなんです……)

 ビジョンを語るのは、シリコンバレーの起業家をはじめとするビジネス・リーダーたちも同じです。そう考えると、「未来の社会」を語っていたはずのアーサーも、いつの間にか「未来のビジネス」について語り出しているのがわかります。

 また、登場人物が自分のビジョンを押し出そうとしている場面は、TOEICのリスニング問題にも数多く登場します。それが、アメリカの「いま」を映し出しているものであるとともに、ビジネスにおけるアメリカのエネルギーそのものだからです。

【勝ちテク】TOEICリスニング問題では、ビジョンを前に押し出す会話のパターンがよく出てくる。

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