国際弁護士・湯浅卓のTOEICビジュアル・リスニング術

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2016/3/29  (3/4ページ)

厳しい批判を浴びせられたスティーブは

 さて、天才スティーブ・ジョブズその人こそ、ある意味で、典型的なアメリカのビジネス・リーダーです。期待した仕事をしくじりそうになるスタッフをあたりかまわず怒鳴り散らすこともあれば、逆にスティーブ自身が友人たちから厳しい批判を浴びせられることもありますが、そこは個人主義社会です。出る杭は打たれるどころか、徹底的に弱点を攻撃されます。

 ある日、技術者としての専門性を持たないと批判されたスティーブ(を演じる名優マイケル)は次の名セリフで平然と受け流します。

 Musicians play their instruments. I play the orchestra.
 (音楽家たちは楽器を鳴らす。僕はオーケストラを鳴らす)

なぜusuallyを聞き取れなかったのか

 次は、前出の友人たちがusuallyを聞き取れなかった名セリフです。スティーブは新製品発表会のリハーサルでこんなセリフを発しました。

 That was cool. Why did I like that better than I usually do?

 (いまの出来はよかったなぁ。僕がいつもやるリハーサルより、なんでいまのをずっと気に入ったんだろう?)

 友人たちにどう聞こえたのかをカタカナ英語で表してみましょう。彼ら彼女らは「than I usually」を次のように聞き取ってしまったようです。

【リスニング・ポイント】
 (正)ナィ・ユージュァリ
 (誤)イージュァリ

半母音の聞き逃しがきっかけとなって

 このことから、次のような聞き間違いがあったことがわかります。

 「than I usually」冒頭の「ザナ」は正しく聞き取れたのですが、usually語頭にある半母音Yの発音を聞き取れなかったのです。このため「ィ・ユー」を「イー」と聞き間違えてしまいました(「ユー」の母音も「ウー」ではなく「イー」と聞き間違えています)。

 さらには、誤った母音「イー」にアクセントが置かれているため(usuallyのアクセントは語頭です)聞き取りミスが強調され、元の単語をまったく聞き取れなくなってしまったわけです。

 【おいしい点の取り方】アクセントが置かれた母音の直前にある半母音を聞き逃すと、母音まで聞き間違えてしまうこともあるので要注意。

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