ビジネス書ななめ読み

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2016/4/1  (1/1ページ)

「『ナンバー2を目指す』ということは、相当な能力を身につけることになり、大きな一歩だといえます。この目標に進んでいくことと、『経理能力を身につけて、数字がわかる人になろう』、『まずは簿記を勉強しよう』という目標を掲げている人は、同じことを一部ではやるにせよ、進む先が全然違います。『ナンバー2を目指す』ということは、あらゆる能力を身につけることです。今現在やっている仕事のすべてが、意味のある仕事に変わります。何も目標がなければそれはただの作業、やっつけ仕事となり、早く終わらせることだけを考えてやることになるのです」(本書・p27)

 会社にいて目の前の仕事をこなす以外大きな目標を持てないでいる人も少なくないだろう。本書は、そんな人が一念発起するための一つのオプションを提示する。それが「ナンバー2という働き方」だ。ホンダにおける藤沢武夫といった著名なナンバー2の事例をひもときつつ、ナンバー2とはどんな存在なのか、ナンバー2を目指して身につけるべき能力は何かを解説し、日ごろの仕事の仕方から変えていこうと呼びかける。

 最近のビジネス書の売り場を見て、著者は「ノマド」「独立、企業」「好きなことをやる」がキーワードになっているという。だが、現実は企業設立数が増えているわけではない。やはりそこには独立へのリスク、不安が大きく横たわる。ならば、そういう夢を見るのではなく、会社にいながら、仕事を充実させていけばいいというのが著者のすすめだ。「ナンバー2」はそのために目指すロールモデルということになる。大企業なら出世をきわめてトップになるという考え方もあるだろうが、日本は99%が中小企業で、創業社長が多い。となると、会社の中ではトップになることはかなり難しい。目指せる最上位がナンバー2だと著者は説く。

 それゆえ、必要な能力はトップになるのと同じくらい身につけなければならない。それに加えて「人に仕える」という心構えも必要だ。目指す先は遠大だが、目標を持てば仕事の仕方が変わると著者は自らのサラリーマン時代の体験などもはさみながら、はっぱをかける。ナンバー2を目指していけば、小さな仕事にも俯瞰(ふかん)的視点でのぞむなど、ちょっとした工夫をするようになるというのだ。

 ノウハウというより心のもちように働きかけてくる一冊。藤沢武夫以外にも、諸葛孔明や土方歳三、小説の『銀河英雄伝説』に出てくるナンバー2など、多彩なナンバー2像も楽しい。(日本経済新聞出版社・本体1500円)

No.2という働き方

著者 : 細島 誠彦
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,620円 (税込み)

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