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ある日突然、外国語

中国開拓の社内公募に立候補、ゼロから中国語学ぶ

サントリーホールディングス グローバル人事部課長 小北拓己(こきた・たくみ)さん

2012/2/23 (1/4ページ)
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サントリーホールディングスの小北拓己さんサントリーホールディングスの小北拓己さん

 「これは自分のための公募じゃないか」。2002年7月、中国市場の本格開拓に向け、営業、マーケティングの希望者を募る社内の新制度を見て、サントリーホールディングスの小北拓己グローバル人事部課長(41)はそう直感した。英語は旅行に困らない程度の会話はできるが、英語圏でのビジネスとなると得意な人との差は大きい。その点、中国ならきっと、みんながゼロベースから始まると考えたからだ。論文などの選抜を経た役員面接でも「中国語はまったくできないんだよね。大丈夫かい」と問われたが、「半年もらえればやります」と明言し、上海行きを勝ち取った。

 93年春の入社後、最初に配属されたのは東京西部支店。巨大繁華街である新宿の飲食店向け営業担当となり、サンプルを抱えて夜の歓楽街の店を回った。池袋での同様の営業を経て、全国の営業部門を束ねる本社の営業推進本部に異動したのが98年秋。そこでマーケティングを学んだうえで、スーパー向けの棚割り提案や全国の成功事例のイントラネットでの共有などを手がけた。5年半の現場経験と本社で身に着けた知識や理論を背景に、言葉への不安より、中国に行きたい思いが上回り、02年10月に赴任した。

 だが、三得利(上海)食品貿易(上海サントリー食品)で始まった中国での現実は厳しかった。企画部に配属され、ある程度は英語でなんとかなるだろうと思っていたが、中国人の部下に話しかけると「No English(英語は話せません)」とまったく通じない。一方、自分の中国語はというと、赴任後1カ月、語学教室に通っただけの付け焼刃で役に立たなかった。

 実は公募制度の合格者は4人おり、うち小北さんを含む2人が中国語の初心者だった。もっとももう1人は赴任後、半年の語学研修の猶予があった。小北さんは半年後の部長含みで管理職として赴いたため、助走期間が短かったのだ。十数人いる企画部の中には1人だけ日本語のわかる中国人スタッフもいたが、本人の業務もある。本当に困ったとき以外は通訳のような仕事は頼めない。そこで「ホワイトボードが友達となった」。「こういう表を作ってほしい」と伝えるには、ボードに漢字と絵で示し、覚えたばかりの言葉をつないでなんとか意思を伝えた。

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