語学達人への道

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2012/4/5  (4/4ページ)

蜂蜜とイナゴ、一緒に食べたらどんな味?

 当時住んでいた水戸市で、ある米国人の神父と出会う。外国人と話したのはこのときが初めてだ。「友人に誘われて毎週日曜日、『聖書の教室』に通っていました」。

 あるとき神父から「来週は質問をするように」と言われた。もともとジョークやユーモアの好きな遠山である。「ユーモアたっぷりな質問をしてみよう。自分の質問に神父がちょっとでもクスッと笑ってくれればといいな」と思いながら、1週間考えた。「マタイ伝で洗礼者ジョン(ヨハネ)が荒野で蜂蜜とイナゴを食べて暮らしていたという話があるのですが、ぼくは『蜂蜜とイナゴを一緒に食べるとどんな味がするのでしょうか』と英語で質問したのです」。

 神父は笑った。「自分の英語が『通じた』瞬間でした。うれしかったですね。Helloだけで英語が通じたとは思っていませんでした。自分の質問に対して反応してくれたことがうれしかった。『笑い』を通じて外国人に対する垣根を越えることができました。ある意味、ここが大きな転機でした」。

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【遠山顕プロフィル】

東京外国語大学英米語科卒。テンプル大学大学院修了、専門・英語教育法。神田外語学院英語科主任、「ラジオ百万人の英語」講師、東洋英和女学院大学准教授、NHKラジオ「英会話入門」講師を経て、現在コミュニカ代表取締役、NHK「ラジオ英会話」講師。広範囲な“学問”になりがちな「語学」から、話すこと・コミュニケーションを行うことを中心に据え、「話学」へのフレンドリーな道案内役として、英語教育、異文化間コミュニケーション、ユーモアの分野での提言と実践を行っている。また、俳優、笑涙(しょうるい)琵琶語り部として日英両語で活動する。趣味はヨガ、クロスワード。

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 新連載「語学達人への道」は、「語学のプロ」に、英語やその他の外国語をどのように勉強してきたのか、自ら実践してきた勉強法のほか、失敗談を含めた体験を中心に聞きます。

(人材・教育事業本部 滝沢英人)

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