近年、「食べるラー油」などの新感覚の家庭用調味料が続々と登場している。なかでも昨年から注目を集めているのが、大手メーカーをはじめとする食品各社から相次いで発売されているジュレ(ゼリー)状のぽん酢だ。昨年2月中旬、他社に先駆けてヤマサ醤油は「昆布ぽん酢ジュレ」を発売。その後、東日本大震災の影響で途中約4カ月間の生産休止を余儀なくされたものの、年末までに売上高約5億円を達成した。製品の開発を担当した徳元勇太(とくもと・ゆうた)に話を聞いた。
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ヤマサ醤油 特販事業部 特注品開発室 徳元勇太 |
「料理にかけるだけで見た目が華やかになる」「揚げ物やサラダなど幅広いメニューに使える」と主婦層の人気を集めているのが、ジュレ(ゼリー)状のぽん酢だ。料理をおしゃれに見せられるだけでなく、手が込んでいるような印象も与えられる。ホームパーティーを開くときのおもてなし料理などにも、もってこいの調味料だ。
ヤマサ醤油社内で「ジュレ状のぽん酢を商品化したい」という着想は、2006年ごろからあった。ジュレとはフランス語でゼリーの意味。フランス料理では、デザートだけでなく、コンソメやブイヨンなどを冷やし固めたジュレを料理でも使う。当時、日本でもその名が一般的になってきたころで、女性誌などで「ゼラチンや寒天を使ってジュレを作ってみよう」と提案する記事も目立ち始め、社内でも注目していたのだという。
同社は早速、商品化を試みる。現在のようなゼリー状のタイプだけでなく、水を加えてジュレにする粉末状のタイプなど、試作を繰り返した。しかし、思うようなものができない。ヤマサ醤油の製品は原則として、「常温流通」で工場から物流センター、卸や小売りへ運ばれる。この既存の物流ルートに乗せるためには、常温未開封で1年程度の賞味期限を設定しなければならない。これが制約になった。
常温でジュレの品質を保持するのは難しい。時間がたつにつれて固くなりすぎたり、ゆるくなりすぎたりと、状態が不安定になってしまうのだ。試作を始めて2~3年が経過しても解決策は見つからず、開発は袋小路に迷い込んでいた。
そのような中、2010年の冬、前任者の異動に伴い、この難題を引き継いだのが入社1年目の徳元勇太だった。

