日経キャリアアップ面連動企画

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2012/2/20  (1/3ページ)

 「ウィニング」の根底に流れるのは「人がすべてだ」という、ウェルチやゼネラル・エレクトリック(GE)の信念です。GEのリーダーシップ研修は世界最高レベルと言われ、人の強さが会社の強さになっています。

 ちょっと待てよ、と思う方もいらっしゃるでしょう。ウェルチは昔、大量のリストラを断行し「ニュートロンジャック(中性子爆弾が落ちるとそこにいる人だけが死に建物は残ることから)」と言われた経営者です。GEの人事制度は、社員をトップ20%、ミドル70%、ボトム10%にランク付けし、ボトム10%を解雇する(今は若干変わっているらしいですが)厳しいものでした。そんな会社が人を大切にしていると言えるのでしょうか。

 ウェルチは第3章「選別(Differentiation)」で次のように言います。「透明性の高い組織で明確な業績目標とその評価制度が整っていれば、ボトム10%の人は、自分がどういうポジションにいるかわきまえているはずだ。たいていの人は、言われる前に自分から辞めていく。自分が必要とされていない組織に、いたいと思う人はいない」。ボトム10%の人(しかも社内の全員がそれを知っている)に「優しい」会社は、「そんなにがんばらなくてもいい」というメッセージを発して本当にやる気のある人を腐らせている、とウェルチは言うのです。現実を直視し、社員1人1人の才能を最大限に発揮できるようにする(それが社内かどうかにかかわらず)ことが「人がすべて」の意味なのです。

 社員を明確にランク付けし、その評価を率直に本人に知らせるのがGEの流儀。「自分の立場がわかれば、自分の運命を自分でコントロールすることができる。これ以上公平なことはあるか?」とウェルチは言います。「人がすべて」と言っている会社は多くありますが、肝心なのは、社員が能力を発揮するために具体的にどんな施策を打っているかです。よくしたもので、甘い会社には甘い社員が集まります。「仕事にやりがいがない」と感じるのは、自分がそれを求めているからかもしれません。

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