日経キャリアアップ面連動企画

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2016/2/9  (1/4ページ)

 ファーガソンは本書で「息子たちが幼い頃の私は家を空けてばかりで、仕事一筋」と述べているように、彼の人生はサッカー一色でした。そんな彼も「引退前の10年ほどは多くの趣味に心の安らぎを見いだすことで、より効率的に監督業をこなした」と記しています。

 具体的には、馬主になるほど競馬を愛したほか、アメリカの歴史(特にケネディ元米大統領暗殺事件)についての書物を読みあさったり、ワインをコレクションしたり。

 「私は競馬のおかげで気分を切り替えることを身につけ、読書とワインからも同じ喜びを得た。実際のところ、本格的にこうした分野にのめりこんでいったのは1997年で、当時は壁にぶつかり、サッカー以外のことを考えなければと思うようになっていた」

 では、他の名将はどうでしょう。本書にも登場するペップ・グアルディオラは、FCバルセロナの監督として偉業を達成した後に「ほかにやりたいこともあるし、人生はサッカーだけじゃない」と4年で退任。その後の1年間を家族とニューヨークで過ごしました。

 チェスの世界チャンピオンであるガルリ・カスパロフと交流を持ち、美術館を訪れ、ゴルフを楽しむなど〝ピッチの外〟の世界を謳歌しました。

 私は仕事柄、業種も規模もさまざまな企業のトップとお目にかかる機会がありますが、彼らに共通しているのはオンとオフをうまく切り替え、仕事一辺倒ではなく、造詣の深い趣味を持ち教養にあふれていることです。

 「これと言った趣味がないんです…」という部下には、読書をすすめています。ファーガソンも自伝の中で「ありがたいことに読書という単純な行為は、仕事と人生のストレスから逃れる素晴らしい手段だ」と記していますし。

 私はファーガソンの意に反し(?)読書から仕事と人生のヒントをもらうことが少なくないのですが。

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