原田泳幸の実践経営論「大きく、しぶとく、考え抜く。」

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2012/12/3  (1/2ページ)

 今だから話せますが、100円マックを始めた頃は、そんなフェーズ1・2・3なんて戦略を詳細にはつくっていませんでした。客数は上がるが、絶対客単価が落ちるので、なんとか少しずつ収益を戻すということを段階的にせざるを得ないなと思ったぐらいです。具体的に何をいつ発売するかは決まっていなかったのです。戦略がないと言ったら、それこそ記者から叩かれますからね。

 そして、いまだに忘れられないのは2005年の8月5日です。えびフィレオを開発して早く発売するように社員に言うと、「テスト販売をして、どれぐらい売れるかを検証しないと、サプライチェーンで素材の過不足が起こります。廃棄も増えて、財務負担が重くなるなどいろいろなリスクが生じます。今年出すのは無理で、来年になります」とみんなが言うのです。

 しかし、「テストをしないで発売するリスクと、テストをして今年発売しないリスクと、どちらが大きいと思うか? 後者のほうが大きい。だから、サプライチェーンのリスクがあっても今年発売しろ」と私は言いました。そして、2カ月後の10月に発売したら見事に売れました。年が明けてレギュラーメニューにもなったくらいです。あの年だけを見たら、100円マックは実行しないほうがよかったかもしれません。しかし、今から考えたら、あの年に100円マックを発売していなかったら、8年連続の既存店売り上げ増なんて絶対にあり得なかったでしょう。

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