仕事人秘録セレクション

この記事をはてなブックマークに追加 この記事をmixiチェックに追加
印刷
2016/4/1  (1/2ページ)

 常に現地現物。

 大野耐一氏、鈴村喜久男氏は我々に何を残してくれたのかをお話ししたくて、私がどんな環境で育ち、どんな指導を受けてきたかを述べてまいりました。総括してみますと、両氏は我々に手段や方法を教えてくれたことはただの一度もありません。常に現地現物、自分の頭で考え編み出していく習慣を身につけさせてくれたのだと思います。

今も現場に足を運ぶ(中央下が本人)今も現場に足を運ぶ(中央下が本人)

 近年、豊田章男社長の「お客様に感動と笑顔を。もっといい車を造ろうよ」の号令一下、トヨタのラインアップも大きく変貌しつつあり、設計から抜本的見直しを図るTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)も着実に進行中です。

 いずれにしてもベースは「TOYOTA WAY」であり「トヨタ生産方式」で、それを支える人材なくしては成り立ちません。顧みるに本当の意味で人材育成ができているでしょうか。「最近の若い者は指示待ち族でいかん」という話をよく耳にしますが本当にそうでしょうか。

 「最近の若者は……」のセリフはローマ時代からありました。それが事実なら代々繰り返されて現在はアホばかりになっているはずですが、決してそんなことはありません。指示待ち族を作っているのは己であるという反省が必要でしょう。

 マニュアル化、標準化は重要ですが、それをうのみにしたまま使わせてはいませんか。仕事にカーナビを持ち込んではいないでしょうか。ナビを使ってから道を覚えなくなり、ナビがないとどこへも行けない人が増殖しています。現地現物、自分の頭で考えて探り当てていくマインドを呼び起こすことが大切です。

 もう一つ強調しておきたいことは、有り物で何とか解決するというマインドが薄らいではいないかという点です。現在は全てにわたって精緻に原単位が把握されており、何か行動を起こそうとすると瞬時にコンピューターから何工数が不足するといったデータが出てくる。これも必要ですが、有り物で何とかするというマインドも大切です。

<< >>
バックナンバー

この連載の一覧
著者プロフィール