マネジャーのための人材育成スキル

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2014/9/4  (1/4ページ)

尋ねることと耳を傾けること

 上司の責任において、若手に身に付けさせなければならないことに「考える」習慣があります。

 まだ経験が浅いうちは、仕事のやり方に慣れることが先決で、吸収し、受け止めることで精一杯になってしまいますが、徐々に自分の足で歩き、自分の頭で考える状態に脱皮させていく必要があるのです。

 そのために基本は、「あなたはどう思うのか」ということを尋ねることです。

 新人のうちは「こうしなさい」と指示をすることが多いでしょうが(それでいいのですが)、次第に「どうしようと思っているの?」「どうするのが最善かな?」と考えを聞いていくようにするのです。何か具体案を持ってきたときには「なぜこの案にしたの?」と聞けばいいのです。

 このコミュニケーション・スタイルを日常化させるといいと思います。

 必ず上司から意見を聞かれるとか、理由を聞かれるとわかった若手メンバーは、あらかじめその答えを用意しながら仕事をするようになるでしょう。そしてその答えは「なんとなくそう思った」とか「そうしたいから」という情緒的なものでは許されません。少なくとも(正解ではなくても)論理的に語られたものでなければなりません。

「なぜ?」

「どうして?」

これを繰り返すだけで、部下の論理的思考力が養われるのですから、簡単だと思いませんか!

 ただし、尋ねた以上は、最後まで耳を傾けて聞き切る覚悟は決めてください。

 しどろもどろの答えのときや、言い淀んで言葉がとぎれてしまったときでも、我慢して続きの答えを待ってください。そこで上司が言葉をつないで答えを言ってしまうと、結局は上司が考えてくれるのだと認識して、考える習慣が身に付かなくなってしまいます。

 それに、最後まで聞くことでわかる重要な情報があるのです。それは、部下は「何がわからないのか」がわかるということです。それがわかれば、教えるべきことが見えてきます。

 忙しい上司ほど、そしてプレイヤーとして高いスキルを持っている上司ほど、人の話を最後まで聞かない傾向があります。「時間がもったいない」と思いますし、「自分の頭のなかにはもう答えがある」と思うからです。しかしながら、人を育てるためには、ここは辛抱するとき。

 尋ねることと耳を傾けて聞き切ること。この2つのスキルをセットで持っていただきたいと思います。

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