MBAはこう使う!

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2014/5/12  (1/3ページ)

■授業での苦労はいろいろあったが、中でも最も大変だったのは、グループディスカッション。何とか議論に割り込もうと、秘策を練った。

 ケロッグはグループワークを非常に重視します。ケーススタディもほぼすべて、グループ単位でやります。そして、グループ内での貢献が個人の評価を大きく左右します。例えば、グループで提出したリポートがよくできていても、その過程でグループ内での貢献度が低ければ、個人の評価は低くなります。グループ内でどれだけ貢献したかは、学生同士のピア・エバリュエーション(相互評価)で決まります。ですから、自分の評価を上げるには、グループ作業でいかに積極的に発言していくかがカギとなります。

 しかし、議論は、みんなものすごい勢いでしゃべるので、そこに割って入って発言するのがなかなか大変でした。とくに日本人は、人の話は最後まで聞くのが礼儀だと教育されてきているので、人が話をしている最中にでしゃばって自分の話を始めるのは心理的な抵抗が強いと思います。でも、そんなことを気にしていたら、いつまでたっても発言できません。まず、自分の日本人としての文化的な殻を破る必要があると感じました。

 ネイティブ同士の早口の議論に、実際にどうやって割って入るかもいろいろ考えました。試して効果的だったのが、手を上げる方法です。発言したいときにさっと片手を上げると、議論が白熱していても、一瞬議論が止まり、グループの中の誰かが、Asako, go ahead. と言って発言を促してくれます。すると私は、あらかじめ頭の中に用意していた文章を述べ、あとは誰かが再び割って入るまで、流れに任せて話し続けるというパターンでした。肝心なことを述べる前に話を切られたときは、必ずLet me finish.と言うよう心掛けました。

 ケロッグの授業はどれもためになりましたが、一番印象に残っている授業は、リアル・ケーススタディでしょうか。

 ビジネススクールの教授の中には、自分で経営コンサルティングの仕事をしている人も大勢います。そのつながりで、教授と知り合いの会社の社長が教室にきて、自分の会社のいろいろなデータを見せながら、今現在困っていることを話すんです。それに基づいて生徒がグループで議論し、その間、授業で理論も学び、そして最後の授業のときに再びその社長を呼んで、グループごとに課題の解決策を発表します。するとその社長が、「それはすでに試みたが、うまくいかなかった」とか「それは思いつかなかった」とか「ぜひ試したいので、分析したデータが欲しい」とか感想を述べるんです。自分たちの提案が実際に採用されると、賞金がもらえるという授業もあったりして、とても面白かったですね。

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