【Web講座】職場とキャリアの心理学~MBA講義で知るビジネスの原理原則~

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2014/2/28  (1/6ページ)

キャリアについての2つの幻想

 私が担当したMBA講座「職場とキャリアの心理学」の連載も、今回が最終回となりました。この連載の締めくくりとして、本稿では、この激動の時代に生きる人々にとって、真のキャリア「力」とは何か?という問いについて考えてみたいと思います。

 ところで、私たちは自身のキャリアについて、以下のようなことを内心どこか頭の片隅で思ってはいないでしょうか。

【その1】「キャリアは提供されるもの」
【その2】「キャリアはすべて計画でき予測できるもの」

 この2つのことについて、おそらく「そんなことありえない」という反応を示される読者の皆さんが多数派だと思います。しかし、本当に「そんなことありえない」という前提をもって、私たちは日頃から行動しているでしょうか。

 例えば、皆さんが仮に今の会社で一生懸命勤め、会社の人事がいうとおりの配属を経験し、例えば営業もこなし、資材の仕事もこなし、その都度その都度、会社でよい成績を残してきたとします。その結果、会社である程度のポジションまで上り詰めたとしましょう。おそらく、自身の中では、会社では絶対に必要な人間だという自負も芽生え、自分で「主体的に」キャリアを開拓してきたと思うかもしれません。

 しかし、そのような状況で、万が一会社から突然、リストラ対象の1人になったと宣告されたとしたら、皆さんはどのようにその事実を受け止めますか? 自分が主体的に歩んできたキャリアなのだから仕方がないと言えるでしょうか? おそらく、多くの方は、「会社の言うとおりにやってきたし十分に成果を上げてきたのに、なんでこんな仕打ちを受けるんだ」、「自分はこのまま会社でやっていくはずだったのに、これから一体どうしろというんだ」といった類の言葉が、怒りや恨みの感情とともに出てくるのではないでしょうか。

 この時に初めて、先ほどの2つのこと―「キャリアは提供されるもの」、「キャリアはすべて計画でき予測できるもの」―が実は、これまで無意識のうちに頭のどこかにあった(信じていた)ことに気づかされるでしょう。そして、この2つの考えが、今日の変化の激しい混沌とした「カオス」の時代において、単なる「幻想」に過ぎないことに気づかされるのです。

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