【Web講座】職場とキャリアの心理学~MBA講義で知るビジネスの原理原則~

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2014/2/28  (4/6ページ)

キャリア力を高める(その2)―「セレンディピティー」を意識する

 今日のカオスの時代にキャリア力を高める上で、もう1つ意識しなければならない重要なキーワードとして、「セレンディピティー」が挙げられるでしょう。「セレンディピティー」(serendipity)とは、端的に言えば、「偶然や幸運に出会う力」を指します。

 スタンフォード大学の心理学者、ジョン・クランボルツ教授によると、個人のキャリアは、予想しえないような「偶然」によって決定づけられる部分が非常に大きいということを、実際に多くの人々のキャリア・ヒストリーを分析し明らかにしています。当のクランボルツ教授でさえ、自身が心理学者になったエピソードとして、12歳で幼馴染じみがたまたま誘ったテニスの遊びから青年時代テニスに熱中することになり、そのことが自身のキャリア選択に思わぬ影響を与えていたと話しています。というのも、教授が学生時代に、大学で何を専攻するか迷っていた際、相談したテニスのコーチが偶然にも心理学の教授だったのです。テニスのコーチから心理学の勉強を勧められ、それがきっかけとなり彼は心理学に傾倒することになったのです。

 多くの人は、キャリアのきっかけとなった「偶然」の出来事を単なるエピソードとして考えてしまうのですが、実はこの偶然は必ずしも単なる偶然ではなく、むしろその人の「キャリア力」の一部だと考えるべきでしょう。偶然は、計画して起こるものではないのは、読者の皆さんも想像に難くないでしょう。

 しかし、何かの目標に向かって計画を立て、それに向かって努力をしている過程において、自身のキャリアを方向づけるような人や価値観との出会いや、当初予期しえなかった新しい情報や知識、技術の獲得があったというケースは決して少なくありません。

 結果として、当初の自身のキャリア目標とは違った全く別の途を歩むことになったとしても、偶然の連続によって形作られた自身のキャリアに納得感や成功感が得られているケースは非常によくあります。

 実は、この記事を読まれている皆さんも当てはまる部分が多いのではないでしょうか?それは単なる偶然の連続ではなく、あなたが「偶然を惹きつける力」を持っていた、また「偶然をキャリアの推進力に変えていく力」をあなたが持っていたというのが正しい理解だと思います。

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