私の履歴書 復刻版 井深大

最終回 おわりに ソニーはわたしの夢 理科教育資金制度に自負

 最後にソニーの歴史の落ちこぼれをもう少し拾い集めてみよう。  昭和29年、東北大学金属材料研究所と連絡上のこともあり、仙台付近の多賀城にテープとフェライト(磁性鉄心)の工場を新設した。以来年々…

第16回 マイクロテレビ 極秘裏でやっと完成 天皇陛下にご覧いただき感激

 ここで最近ソニーを最も世界に有名にしたエサキダイオードとマイクロテレビについて記したい。  エサキダイオードは与える電圧を大きくする…

第15回 ビデオレコーダー 出バナくじいた役人 将来は家庭で自由に録画も

 日本で最初のテープレコーダーを仕上げて商売にのせ、ほっと一息ついたのは、昭和27年ごろで、ちょうど日本のテレビ放送がうぶ声を上げたときであ…

第14回 小型ラジオ 部品屋くどいて製作 全世界へ50万台以上売る

 成長型トランジスターはさっぱり成長せず金をくうばかりで、なかなか使えるものが出てこない。私はこのころトランジスターに手を出したことはたいへ…

第13回 トランジスター 米ウ社と提携に成功 ラジオ用製作に悪戦苦闘

 話は元へ戻るが、最初に商品として出したG型というレコーダーは机ぐらいの大きさで、重さが15キロ(4貫匁)あった。1人では持って歩けない代物…

第12回 テープレコーダー 日夜苦心、やっと成功 手をとり合ってうれし泣き

 私はこれまでいろいろな物をこしらえて商売にしてきたが、たいてい軍とか役所とか放送局のもので与えられた仕様書によって作ったものばかりだった。…

第11回 新工場完成 飲み食い放題の祝宴 おかげでその月は給料遅配

 工場の移転だの仕事の増大だので会計の方は苦しい連続だった。どうにもせっぱつまったのでこれは銭形の親分に頼むよりほかないということになり…

第10回 新円かせぎ 当たった電熱マット 法隆寺出火でびっくり

 東通工が発足して1ヵ月とたたないうちに白木屋の工場では手狭になった。そこで21年6月に長野県上高井郡小布施村に200平方メートル(60…

第9回 東通工設立 万代会長、前田社長で 真空管電圧計で大量注文

 技術者の集まりである東京通信研究所は大海に乗り出した小舟のようなものであった。私たちは技術だけをたよりに新製品の開発に全力を注いだ。コ…

第8回 終戦 仲間とともに東京へ 「東通研」で再スタート

 サイパン、テニアンも占領され、不沈空母による本土空襲は定期便化していた。トラックが毎日のように京浜地帯から列をつくって山梨や長野に工場疎開…

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