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2015/12/15  (1/4ページ)

 超大国の米国一極集中から多極化するグローバル政治経済。21世紀は中国、インドなど新興国の台頭、不安定化する中東など、日本のビジネスパーソンもジオエコノミクス(地政経済学)の知見が不可欠な時代だ。4日、日本経済新聞社でボストン・コンサルティング・グループ(BCG)日本代表の御立尚資氏と国際政治に精通するユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏がそれぞれ講演、対談した。

【御立氏の講演の要旨】
21世紀、水の流れが変わった

 21世紀もスーパーパワーは米国が維持しているが、相対的にパワーに下がっている。20世紀は軍事力が最も重要でしたが、今はインターネット時代ですから、新たなネットワークコミュニティーも誕生している。軍事力以上に経済政策が重要なキーとなっている。軍事力も金融、ITも、米国の支配力が世界で最も強いことは事実だが、中国共産党の経済政策により、グーグルやフェイスブックの活動は中国では制限されている。一方で中東のイスラム国(IS)はネットを活用して全世界から兵士をリクルートしている。戦争自体は少なくなったが、世界各地でサイバー攻撃が繰り広げられている。超大国・米国中心のパワーバランスが変化を起こしている。欧米のみならず、中国や中東はどうなるかということは、日本経済にも影響は甚大だ。だからこそ地政経済学が必要となっています。

 私は長く日本航空に勤務していました。その頃は「10年に1度の世界的なトラブルにどのように対応するかが課題」と社内で議論していた。しかし、21世紀になり、異常なほど世界的な大問題が増えている。テロや感染症のみならず、自然災害も次々起こる。地球温暖化の影響かもしれないが、人口が爆発的に増え、都市化が急速に進んだことが主因だ。すべて水に関係しており、地球の水の流れを変わったともいえる。アフリカの干ばつとか、日本では津波、ゲリラ豪雨、タイでも大規模な洪水が起こった。タイの洪水の被害が拡大したのは、以前は人の住んでいない地域にも洪水が押し寄せたことが原因となっている。人口増大と都市化が被害を拡大したわけだ。

 21世紀は地政学リスクが激増している。主な理由は3つあります。1つは人口の増大、2つ目はデジタル革命、3つ目は金融革命です。英国の経済学者アンガス・マディソン氏の研究成果に基づいた興味深いデータがある。

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