つらい仕事が楽しくなる心のスイッチ

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2015/1/21  (1/4ページ)

 自分らしい生き方が許される自由な時代になって、定職が見つからずに 路頭に迷う人が増えている。

「どんな仕事が自分に向いているのかがわからない」
「自分がいったいどんな生き方をしたいのかがわからない」

 といって、就職を先延ばしにする人、とりあえず仕事はするけれども、ほんとうにやりたいことが見つかるまでフリーターとして生活する人が増えてきた。

 自分がよくわからない状態をアイデンティティ拡散という。アイデンティティ拡散に多くの人が陥っているのは、まさに自由度が高くなったからである。いくつかのセットメニューしかない定食屋では迷う余地もないが、メニューが豊富で組み合わせ自由なカフェテリア形式の食堂では、どのようにおかずを組み合わせるかで悩む。それと同じだ。

 家業を継ぐのが当たり前の時代なら、親が農業をやっていたら自分も農業をやる。家業がパン屋なら自分もパン屋になる。

 当たり前のようにそう思う。どのように発展させるかに頭を悩ますことはあっても、何になるかで悩むことはない。そんな時代なら、アイデンティティ拡散になることはないだろう。

 ところが、現代は職業選択がほんとうに自由になってきた。わが子を縛りたくないという思いから、家業を無理に継がせようとは思わないという親も多くなった。店を継がせるより、安定した会社に勤めてほしいと考える親も少なくない。

 日本の労働者の8割以上がサラリーマンの時代だから、そもそも家業のない家がほとんどである。

 何になってもよいという状況に置かれると、「さて、何になったらよいのだろうか」と迷ってしまう。いくつもの「なれるかもしれない自分」の可能性を前にして、身動きがとれないでいる。それがアイデンティティ拡散である。

アイデンティティ拡散
これが自分だと言える生き方が見つからず、さまざまななりたい自分、なれそうな自分を前にして、どうしたらよいのかがわからなくなったり、何にもなれないような切迫感に苛まれるなど、自分を見失った状態のこと。

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