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2015/1/7  (1/3ページ)

「人間は苦悩する存在である」

 ユダヤ人として強制収容所に入れられるなど、自らの深い苦悩をもとにして、生きる意味を探求した心理療法家フランクルの言葉である。

 一般に心理療法は、悩んでいる人の苦悩を取り除くことを目的としている。それに対してフランクルは、自分自身と向き合うことをせずに、見せかけの安らぎに甘んじている人に問いを投げかけ、安易な生き方から苦悩する存在へと転換させるのも、心理療法の目的であるという。

 フランクルの考え方は、悩むということが決して悪いことではなく、悩むことでよりよい存在になっていくといった価値観に基づくものといえる。

 多くの人は、悩みがあることをよくないことのように思っている。だが、悩むというのは、現状を乗り越えたいという意欲のあらわれでもある。どうでもいいと思ったら、普通は悩まない。「何とかしなければ」と思うから、人は悩むのだ。

 世の中の成功者の多くは、苦悩の日々を乗り越えることによって成功を手に入れている。悩むことが現状を乗り越えていく力となっていくのである。

 ただし、悩むことで気持ちが後ろ向きになるようでは前進できない。悩むことがあるから気持ちが沈む、うつになるという人は、健全な悩み方を学ぶ必要がある。

 前向きに悩むために大切なのは、思い通りにならないこと、イヤなことに対して、感情で反応するのでなく、認知で反応することだ。

フランクル
1905―97。ユダヤ人として収容されたアウシュビッツの強制収容所における体験をもとに、人生の意味を重視する実存分析を提唱した精神科医。人間の生き方を貫くものとして、快楽への意志を重視したフロイト、力への意志を重視したアドラーに対して、フランクルは意味への意志を強調し、人間は意味を求める存在 であると唱えた。

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