つらい仕事が楽しくなる心のスイッチ

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2015/3/11  (5/5ページ)

 従順性の強い人物は、控えめで素直なところが周囲に好感を与える。自己主張せず協調的な態度や行動をとるため、仕事でもプライベートでも対人的なトラブルにはなりにくい。

 ただし、遠慮深さが親密な関係になりにくくさせたり、影の薄さや自信のなさが魅力を感じにくくさせたりする面がある。従順性ばかりが突出している場合には、一見控えめで好感のもてる人物ではあっても、身近につき合うと、いろいろとため込みすぎて不満や愚痴の多い人物ということにもなりかねない。

 5つの心は、誰もがもっているものである。どの心が強いのがよいかといったことではなく、5つの心の偏りがその人の個性をあらわす。それが人間関係にたえず影響を与えている。

 もう一度、自分のエゴグラムをじっくり眺めてみよう。そこには、人とのコミュニケーションに影響するあなた自身の個性が示されている。

 自分のエゴグラムを踏まえつつ、過去のコミュニケーションのつまずきを振り返ってみてほしい。うまくいかなかった人間関係において、どの心の過剰が悪い方向に働いたか、あるいは、どの心の不足が問題だったかがわかれば、今後のコミュニケーションを改善していくことができる。

 コミュニケーションは相手のあるものだ。こちらがいくらうまくやりたいと望んでも、向こうにも向こうの意思があるため、なかなか思い通りになるものではない。

 だが、コミュニケーションは相互作用だ。こちらの心の動き方が変われば、必ず相手の心の動き方も変わる。自己分析の結果をもとに試してみよう。

【POINT12】
足りない心を補い、得意な心を活かせれば、
どんな相手とのコミュニケーションも改善できる。

◇   ◇   ◇

榎本 博明(えのもと・ひろあき)
心理学博士

1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授を経て、MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした企業研修・教育講演を行う。著書に、『仕事で使える心理学』『「やりたい仕事」病』『「上から目線」の構造』『「すみません」の国』『記憶の整理術』『〈ほんとうの自分〉のつくり方』など多数。

つらい仕事が楽しくなる心のスイッチ (日経ビジネス人文庫)

著者:榎本 博明
出版:日本経済新聞出版社
価格:842円(税込み)

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