リーダーに戦略を聞く

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2016/3/30  (1/3ページ)

 1960年代前半に事業戦略という概念が生み出されて以来、ビジネスで使える戦略ツールや戦略フレームワークは膨大な数に上っています。多様化し、不確実性が増す事業環境の中で、リーダーはいかにして適切な戦略を選び、実行していけばいいのでしょうか。『戦略にこそ「戦略」が必要だ』の著者の1人、ボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)ブルース・ヘンダーソン研究所所長のマーティン・リーブス氏に聞きました。

◇   ◇   ◇

5つのアプローチから成る「戦略パレット」

━━マーティンさんは日本と縁が深いそうですね。来日するのは5年ぶりだとか。

 ちょうどバブル真っ只中の80年代半ばに初来日し、東京大学で生物学を学びました。90年代にはBCGの東京オフィスに勤務していました。

 当時は日本人がいかにユニークであり、日本市場がいかに特殊であるかということばかりが話題に上っていました。日本人の間でも、外国人の間でも。今では日本の特殊性について語る経営者はほとんどいません。先進国の既存大企業であれば、課題はほぼ共通しています。今回の本も、そうしたユニーバーサルな戦略という考え方に基づいて書きました。

━━戦略といえば、BCGの創設者であるブルース・ヘンダーソン氏が提唱した「エクスペリエンス・カーブ」をはじめ、マイケル・ポーター氏の「ファイブ・フォース」やW・チャン・キムとレネ・モボルニュが提唱した「ブルー・オーシャン戦略」など代表的なものが思い浮かびますが、これらの戦略とマーティンさんらが提唱している”ユニバーサルな戦略”はどのような関係性にある、と考えればいいのでしょう。

 それはこの本を書いた動機とも関係しますが、1960年代以来、戦略ツールや戦略フレームワークと呼ばれるものはかなりの数に上っています。それゆえに、状況に応じて、より適切な戦略を選択することはとても難しくなっています。

 企業は今、事業・商品、地域などによって異なる経営環境で、多様な事業を営んでいます。それぞれの事業環境がかつてないほどのスピードで変化し、不確実性もますます高まっています。1つの戦略が万能薬のようには効きません。状況に合った最適な戦略アプローチを選択することが必要であり、私たちはそのフレームワークとして「戦略パレット」(図1―4)という考え方を提唱しました。

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