リーダーに戦略を聞く

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2016/3/31  (2/4ページ)

日本的経営の利点を活かす

━━「戦略パレット」を使いこなせる人材は、どうすれば育つとお考えですか。

 1人の人間がすべての領域において完璧な戦略を立て、実行していくのは難しいでしょう。その場合、いくつかの方法が考えられます。

 まず、必要なのは教育です。共通の言語を用い、適切なフレームワークを構築する力を養うこと。2つ目に必要なのは経験です。この点に関しては、日本的経営が持っていた人材育成の方法がそのまま活かせるかもしれません。

 将来、リーダーとなる人には両利きの能力が求められますので、ある時はアダプティブ(環境に適応し)、ある時はシェーピング(協業によって新規事業を創出し)、またある時はリニューアル(事業再生)というように、複数の事業部や地域を経験しながら、多様な戦略アプローチを使いこなす経験を積む必要があります。そのような意味で、水平な異動を繰り返し、様々な部署を経験した上で昇進していく、日本型のローテーション人事はある意味、近道だと言えます。

 3つ目としては、よりシンプルに事業を小分けしていく、という考え方もあります。たとえば、コアはあくまでクラシカルに置き、それとは別にアダプティブ、シェーピング、リニューアルな戦略アプローチを取る部門を置く。全員がすべての状況に同時に対峙しなくてはならないわけではありませんので、このような棲み分けによって事態を乗り切るというのは1つの方法でしょう。

 何れにしても、難しいのはそれをどう実践していくかです。人材をどのように配置して、強化していくか。

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