リーダーに戦略を聞く

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2016/3/31  (3/4ページ)

柔軟な評価の仕組みと報酬体系を持つ

━━具体的な突破口はありますか?

 私たちは「脱・平均化した人材マネジメント」と呼んでいますが、仕事の内容や特徴に応じた柔軟な評価の仕組みや報酬体系を、選択肢の1つとして持つことは必要かもしれません。

 人間は誰しも評価されたいと願うものです。短期的利益をどう上げたかばかりが評価される仕組みの中では、長期的展望に立って企業をより良い方向へ導くための働きは見落とされがちです。視野狭窄に陥らないためにも、日常的なパフォーマンスを上げることに貢献している人たちばかりではなく、より長期的な展望に立ってビジョンを構築していく人たちも、適切かつ柔軟に評価をする。そのために、異なる評価・報酬体系を設けてはどうかという提案です。

 クラシカル型の企業が両利きの経営へと転換する上で参考にできる1つの例として、ペプシコのケースが挙げられます。ペプシコは世界有数の飲料メーカーですが、CEOのインドラ・ヌーイ氏は将来的な持続可能性に疑問を持ち、事業を多様化すると同時に、一種の「分離」策をとりました。すべての事業部に「日々の業務を行うグループ」と「それをどう破壊するかを考えるグループ」を配置したのです。

 その結果、ペプシコでは1つの事業部で必ず2つの鎖が並行して走るようになりました。例えば、マウンテンデューとペプシコーラという2つのブランドを成長させると同時に、もう一方のグループでは、それを破壊するような家庭用の炭酸水製造機も手がける、といった具合に。もちろん、このように矛盾した事業を同時に2つ走らせるというのは簡単なことではありませんが、それでも、ヌーイ氏は「競合企業に破壊される前に、自分たちがそれを破壊しなくてはならない」と考え、両利きの経営を実践しています。

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