出世する人は人事評価を気にしない

この記事をはてなブックマークに追加 この記事をmixiチェックに追加
印刷
2015/2/10  (3/4ページ)

社外に目を向けることで社内での価値が高まる

 もしあなたが転職経験者であれば、人的資本の棚卸しという作業が、職務経歴書の作成に近いことがわかっただろう。

 職務経歴書を作成するよりも楽しい作業だったとは思うが、人によっては「意外と書けることがない」と思ったかもしれない。しかしそう考えた人ほど、このタイミングで自分の人的資本の棚卸しができたことを喜ぶべきだ。

 人事制度の取り組みの一つに、キャリア研修というものがある。

 45歳、あるいは50歳というタイミングで従業員を集め、自分の過去の経歴を棚卸しさせる研修だ。そうして、今後の会社の中でのキャリアを考えさせようとする取り組みだ。

 会社によってはこのタイミングに合わせて、早期退職の希望を募ることもある。

 50歳の現時点で退職を選ぶのであれば、今から半年間は出社しなくても月給は支払います。さらに、退職金を500万円加算しますよ、だから第二の人生を歩んだらいかがでしょうか、在籍している状態のままで転職活動をしてみてはどうでしょうか、という提案がこっそりと用意される。

 実は「人的資本の棚卸しシート」は、過去に実施したキャリア研修時の記入シートをもとに作成した。

 会社の中の人生は40歳で転機を迎えるが、そのことを説明してくれる人は少ない。

 なぜなら、会社としてはそこから10年間を頑張ってほしいからだ。40歳で課長にまで昇進させているのだから、ぜひ結果を出してほしい。活躍してほしい。しかし、その中の3人に2人は部長にはしない。さらに部長になったうちの3人に2人は執行役員にも取締役にもしない。そんなことを言うわけにはいかないので、人事評価制度を用意して、活躍に対して昇給や賞与で報いる。

 やがて気づけば多くの人が、部長にも、執行役員、取締役にもならないまま、50歳、55歳になってしまう。そしてキャリア研修に呼ばれて愕然とする。あるいは役職定年をほのめかされて、会社の制度を非難するかもしれない。

>> 社内での働き方を変えるきっかけにも

<< >>
バックナンバー

この連載の一覧
著者プロフィール

この著者の連載一覧