世界経済の動向を見ていると、4月上旬あたりから少し風向きが変わってきたように感じます。特に、欧州は各国の緊縮財政による国民の疲弊から、少しずつ“反緊縮派”が支持されるようになってきました。この傾向が進むと、ギリシャを中心に金融危機が再燃する可能性があります。このような背景もあり、5月6日に控えているフランス大統領選挙とギリシャの総選挙は、世界中からその行方が注目されているのです。今回は、欧州を中心に世界経済の状況についてお話ししていきます。
再燃する欧州の金融不安
4月6日に3月の米雇用統計が発表されたあたりの時期から、スペイン国債の利回りが上昇、ユーロが下落するなど、世界経済の流れが少し変わってきたように感じます。日本も例外ではありません。日経平均は一時期1万円を超えていましたが、今は徐々に下落して9500円前後で推移しています。円相場も1ドル=81円前後、1ユーロ=105円前後まで上昇し、じわりと円高傾向が進んでいます(※2012年4月17日現在)。
その主な原因としては、スペインの財政不安が再び高まってきていることと、フランスの大統領選挙とギリシャの総選挙が5月6日に控えていることがあります。フランスは4月22日に実施される大統領選挙の第一回投票の状況によっても、不安定さが増す可能性があります。ギリシャは緊縮財政によって経済環境が悪化、1月の失業率は21.8%と過去最悪となりました。
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欧州のGDPのデータを見てください。2012年10-12月の成長率はどの国も鈍化しています。理由の一つには、各国が緊縮財政を行っているため、経済は鈍化せざるを得なくなっていることがあるのです。
経済状況が悪いと、当然のことながら失業率も上昇します。スペインの3月の失業率は23%に迫り、8カ月連続で悪化し続けています。
財政を緊縮しないと財政を立て直せないということは分かりますが、景気が悪くなってくると、別の問題が発生します。それは、緊縮財政によって余計に失業者が増え、社会保障も減り、政府は人心を掌握できなくなってくるということです。特にギリシャとスペインは若年失業率が5割を超えています。
そうなると、選挙では財政を拡大しようとする反財政緊縮派の勢力が強まり、勝利してしまう可能性が出てきます。特にギリシャ人は気質的に陽気ですから、「厳しい状況をこれ以上続けなくてもいいのではないか」という流れにいきやすいのです。


